[8.8 関東中学2回戦 流経大柏中 4-0 サレジオ学院中 三ツ沢陸]
複数のポジションを経てFWに確立した流通経済大柏中・松井千晃(3年)が役割を全うする2ゴールを決め、創部3年目のチームを全国中学校サッカー大会(全中)出場に導いた。
松井は「先制点を取ることを意識していた」という一戦で前半12分、右サイドからの折り返しに反応。ゴール前で右足を振り抜き、狙い通りの先制ゴールを奪った。
さらに2点リードで迎えた後半5分、ペナルティエリア手前中央でMF木内瑛太(3年)がボールを受けたのを見て、「シュートを打てる角度を見つけて」ペナルティエリア内左にポジションを取る。冷静な判断でボールを受けると右足でのシュートコースは切られたものの、左に持ち出して相手を振り切り、左足一閃。この日2点目の得点となり「振り抜いて入ってよかったです」と振り返った。
両ゴール後にはFWマーカス・ラッシュフォードのようにこめかみを指で指した後、FWキリアン・ムバッペのようにジャンプして腕組みするゴールパフォーマンスを披露するなど喜びを爆発。「興奮してあまり覚えていないです」とはにかむヒーローは、「嬉しかったんでパフォーマンスみたいな形になりました」と笑顔を見せた。
流経大柏中を全国に導いた松井だが、塩倉高弘監督によると1年生まではボランチを主戦場にしていたという。運動量を武器に中盤の狩人的な役割を担っていたが、チームがハイプレスを目指していく中でFWにコンバート。もっともその後も3バックの一角やウイングバッグなどポジションを転々とした。それでも「やっぱり運動量があるのでもう一回トップに戻してずっとこの夏の大会はやっている」とFWでの出場に落ち着いた。
そうした経緯を経て大一番での2発。指揮官は中でも2点目について「1年生、2年生のときではできない、逆とってなおかつ左足で逆サイドに打つという本当に彼の成長したゴールだったと思います」と目を細めた。
関東大会は翌日まで続き、今月18日に全中が開幕する。松井は「足下で受けて振り抜くシュート」を強みに挙げ、自身の活躍で掴んだ大舞台でも「流経という名前を背負っているので恥のないように思いっきり暴れたい」とゴールを奪う考えだ。
(取材・文 加藤直岐)
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Source: 大学高校サッカー
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