[9.6 関東 ROOKIE LEAGUE Aリーグ第9節 山梨学院高 3-0 桐光学園高 時之栖裾野E1グランド]
期待の1年生守護神が、Aリーグ最少失点(9試合8失点)とU-16全国大会の「MIZUNOCHAMPIONSHIP」(12月)出場権獲得に貢献。次は強豪、山梨学院高(山梨)のトップチームでの先発奪取に挑戦する。
GK石井那樹(1年=カナリーニョFC出身)は、「2025 関東 ROOKIE LEAGUE」Aリーグ最終節で無失点勝利。桐光学園高(神奈川)にサイドのスペースを狙われ、シュート、ラストパスにまで持ち込まれていたが、的確なキャッチングなどでゴールを許さなかった。
「大きなピンチがない中で、自分にとっては難しい展開でしたけど、キャプテン任されてるので、90分間集中力を切らさないで、声出して無失点でやるっていうところは、(試合後の)今振り返っても良かったかなと思います」
1年生ながらトップチームのインターハイ登録メンバー入りをしていた石井は、ゴール前で堂々とした動き。中でも、キャッチングの部分は自分の武器だと考えている。「中学の時から基礎っていうのをやっていて、弾くっていうよりはキャッチして、自分たちのボールにしようみたいなところを小学校、中学校とやっていたんで、それが出てきているのかなと思います」と説明。加えて、シュートセーブを高校進学後にレベルアップさせている。
「5月か6月ぐらいからトップの練習に入って、その時は全然通用していなかった」と石井。自分の武器だと考えていたものが、プリンスリーグ関東1部で優勝争い中のトップチームでは武器と言えるものにはならなかったという。
だが、1年生チームの「関東 ROOKIE LEAGUE」で常に無失点を意識しながら守り、自信も、経験値も向上。再びトップチームに合流した際、特にシュートセーブ、反応速度の面で成長を実感し、トップチームでのメンバー入りと先発奪取を意識するようになった。
トレーニングから先輩GKたちに負けじとアピール中の石井は今後、プリンスリーグ関東1部でデビューする可能性も十分。「3年生が最後だし、そこは出るってなったら、学年関係なく、後ろからコーチングしていかないといけないと思うので、出るってなったら、もう遠慮しないで、自分がスタメンだっていう気持ちでやっていこうかなと考えています」。チャンスが訪れれば、臆することなくプレーする意気込みだ。
その石井が憧れの存在に挙げるのは、GKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲン(バルセロナ)と180cm弱の身長で活躍してきたGK菅野孝憲(札幌)だ。「テア・シュテーゲン選手はシュートストップも凄いし、キックも凄い。今、自分の課題がフィードキックのところなんで、そこは見習っています。そして、菅野選手はリーダーシップ。リーダーシップっていう部分では結構自分の特長ではあるかなと思うので、2人を合体させた選手みたいな選手が目標です」。石井は身長179cm、68kgで特別なサイズがある訳では無い。それでも、「関東 ROOKIE LEAGUE」Aリーグのベストディフェンスに選出されるなど評価の高い守護神が、トップチームでも自分の武器を発揮し、山梨学院を勝たせる。


(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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