[9.21 U-15関東1部第16節 川崎F U-15生田 2-3 FC LAVIDA Ankerフィールド]
FC LAVIDAが勢いに乗り始めるとMF掛水楓空(3年)を経由した攻撃が増えていった。掛水は中盤から展開していった優勝争い直接対決での勝利に喜びつつ、「もっとさばいて試合を展開するのを頑張っていきたい」と力を込めた。
首位との対戦になった2位のFC LAVIDAは前半、なかなかボールを握れず攻撃に移ることができない時間帯が続いた。それでも1点ビハインドの前半33分、MF笠井作彌(3年)が豪快にミドルシュートを決めて同点。「1点決めると自分たちは流れに乗っていけるスタイル」と掛水が話すように次第に相手を押し込み始め、掛水がボールをはたくシーンも目立つようになった。
パスでチームを勢いづける掛水は後半7分、中央左寄りからのFKでキッカーを担当。ゴール前に走り込んだDF中山織汰(3年)にピタリと合わせ、中山のシュートは枠外に飛んだが決定機を演出した。
「セットプレーはゴールの枠に入れるのを意識していて、入れれば触らなかったとしてもそのまま流れて入る可能性があるので意識しています」。キッカーとしての狙いをそう話す掛水は良いフィーリングが残る後半9分、今度は左CKのキッカーになるとニアサイドへ絶妙なボールを供給。FW金子巴赳(3年)がこれを頭で合わせ、掛水にアシストがついた。
「あそこは自分も意外と良いボールが蹴られて『決めてくれるかな』と思いました。そうしたら金子くんが決めてくれてよかったなと思います」
FC LAVIDAは最終的に3-2で勝利し、首位と勝ち点で並ぶことに成功。もっとも配球に自信を持つ掛水は「どんどんボールを貰って展開するのをできたらよかったと思っています」と話し、個人の出来には満足していなかった。今月15日には日本クラブユース(U-15)選手権の優秀選手に選出されたことでメニコンカップに参加したが、掛水が入ったEASTは0-4で敗戦。「自分が通用しないのを実感できて、これからもっと成長しないといけないなと思った」と振り返り、今後に向けて意識を高めているところだ。
その上で掛水はFC LAVIDAの特長でもある前線からの守備について「もっと後ろから声を出して前の選手を動かしていくのが大事」と高い位置でのボール奪取を導くことにも意欲を見せる。クラセンU-15決勝ではヴィッセル神戸U-15にボールを握られてチームのスタイルを発揮しきれずに敗れ、「課題が多く残った」。冬に悲願の日本一を達成すべく、声でもチームを支えてリズムをもたらす考えだ。
掛水は「自分が得意とするプレーはボールを持ってからのさばきでドリブル系ではない」と話し、「相手の見えない位置に立ったりとか、視界から消えてボールを貰って進めていく」ポジション取りも意識しながらプレーしている。「パスセンスがとても凄い」と目標にするMFケビン・デ・ブライネのようにアシストや攻撃の起点になる回数を増やし、FC LAVIDAでの全国制覇と将来の日本代表入りや海外での活躍に向かって成長を重ねていく。
(取材・文 加藤直岐)
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Source: 大学高校サッカー
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