U-17日本代表候補合宿は所属チームに感謝の土曜日スタート。守備でも存在感のFW浅田大翔(横浜FM)は世界で勝ち切るため、「しっかり準備していきたい」

U-17日本代表候補が大阪合宿をスタート。FW浅田大翔(横浜FM)がボールを引き出す
 FIFA U-17ワールドカップ カタール2025 (11月)へ向けて準備中のU-17日本代表が27日午後、大阪府内で候補合宿をスタートした。合宿にはU17アジアカップ(4月)の経験者を中心に日本クラブユース選手権(U-18)大会MVPのMF平島大悟(鹿島ユース)やJ1で7試合に出場のFW北原槙(FC東京)らを加えた25名が参加し、初日は2時間弱のトレーニング。移動予定便の欠航によって、初選出のFWマギージェラニー蓮(琉球U-18)の合流が遅れるアクシデントがあったものの、練習中に到着し、10分間2本のゲーム形式にも加わった。

 U-17ワールドカップ開幕まであと1か月強。U17アジアカップで世界切符こそ獲得したものの準々決勝敗退に終わったチームは、6月にスペイン遠征、8月から9月にかけてフランス遠征を行い、欧州や北中米、アフリカのチーム相手に強化を図ってきた。フランス遠征ではU-17ワールドカップでも対戦する強豪・ポルトガルを1-0で撃破。2023年U-17ワールドカップ準優勝のフランスとも1-1(PK4-5)の好勝負を演じるなどチーム状態は上向きだ。

 FW浅田大翔(横浜FM)は、これまでの活動でキャプテンマークを巻くなどチームリーダーの一人。「アジアカップで悔しい形で終わって、そこから自分たち『まだまだ』ってところをもう1回分からされたので、そこから前回のスペイン遠征とフランス遠征で3バックの守備のところだったり、攻撃ももう1回叩き込んで、ほんとにここが最後、良い大学とできるので、ここでしっかり自分たちの特長を出して、ワールドカップに向けて準備できればなと思います」とコメントする。その浅田はフランス遠征で1ゴール(対サウジアラビア)を決めたほか、フランス戦で良い形のボール奪取によってチャンスに結びつけたという。その武器を大阪合宿初日のトレーニングでも発揮していた。

「守備でボール取り切れるのは自分の良さでもありますし、自分がファーストスイッチ掛けて後ろについて来させるっていうのも自分の良さだと思うので、そこはしっかりチームの前線の守備で引っ張っていけたらなと思います」。浅田はU17アジアカップで2ゴールも、チームは準々決勝敗退。「もっとワールドカップに向けて、1人1人が良い準備をして来よう」と誓い合い、浅田は横浜FMのトップチームでJ1出場、ベンチ入りを経験しながら成長を目指してきた。

 この日、11対11のゲーム形式では、ボールを収める部分やチャンスメイク含めて存在感のある動き。「ほんとにトップはユースじゃ味わえない個人の強さだったり、スピード感が全然違う。このチームは(自分も含めて)トップでやっている人もいますし、そういう人たちがリーダーとなって、スピード感などをここでもしっかりみんなに見せれればなと思います」。チームはスペイン遠征でもU-17ワールドカップ対戦国のモロッコに勝利しているが、本番のU-17ワールドカップが親善大会の結果通りにならないことは理解している。「(相手は)比じゃないぐらいの強さで来ると思うので、ワールドカップはそこの勢いに負けないようにしっかり準備していきたい」とチームリーダーは引き締めていた。

 今回の大阪合宿は各チームの協力によって、公式戦後の週明けではなく、土曜日から合宿をスタート。リカバリーからの合宿ではなく、初日から強度の高いトレーニングをすることができた。そのことについて、廣山望監督は「タイミング的に大会の前だっていうことで、チームにお願いして、協力してもらってというところで成り立っている。どうしてもリーグ戦明けの集合でやるとやれることが限られる中で、(2日目の)明日ゲームができるので」と感謝する。

 チームの強化とともに、U-17ワールドカップメンバーの選考を兼ねた5日間。FW吉田湊海(鹿島ユース)ら主軸クラス数人を欠いているものの、所属チームや9月の国際ユースサッカーin新潟でアピールした選手を含め、21名入りを掛けた争いも最終盤を迎えている。

 その中で、廣山監督は「選手からしてみたらある意味、生き残りをかけたみたいな部分を感じてしまってるかもしれないですけど、どっちかと言ったら、もう『このグループで戦いに行く』。このグループで、フランス遠征でできた部分、できなかった部分を整理して積み上げて、もしくはもっと矢印を揃えられるように、チームの持っている矢印を強くできるようなキャンプにしたい」と語った。もちろん最終的にメンバーを絞らなければならないが、今回の招集メンバー25名で戦いに行くつもりで準備をする。

 リズムを崩した際に相手に飲み込まれて予選リーグを1勝1分1敗、準々決勝でサウジアラビアに敗れたU17アジアカップについて、指揮官は「選手もそうですけども、スタッフも含めて足りないところをしっかり理解して、積み上げをするには本当に活かすべき経験」と語り、浅田も「サウジアラビアに負けたのは本当に不甲斐ない結果だった」と振り返る。

 コレクティブかつコンパクトに、またフレッシュに戦えている時は「どこの国にとっても、怖れられるだけの戦いができる」(廣山監督)。明確な課題が見つかったアジアの経験を忘れず、世界で勝ち抜くための準備を進めてきた。当時に比べ、個々の対応力やフィジカル面も向上。浅田は「しっかり予選突破して、しっかり勝ち切るっていうところを意識したい」。今回の大阪合宿では大学生と練習試合を3試合実施する予定。フランス遠征から成長した姿や上手く行かない時でも乗り越える力を示し、U-17ワールドカップでの躍進に結びつける。

守備面での貢献度も大きいFW浅田大翔
ウォーミングアップでFW浅田大翔は先頭にも立ってランニング

(取材・文 吉田太郎)


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Source: サッカー日本代表

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