「大事なところで点取るのが自分の特長」。U-17日本代表候補はFW小林志紋(広島ユース)が流れを変え、2発

後半12分、U-17日本代表候補FW小林志紋(広島ユース)が右足でこの試合2点目のゴール
[9.28 練習試合 U-17日本代表候補 7-2 大阪体育大 J-GREEN堺]

 前半の45分間は1-1だったものの、U-17日本代表候補にとって劣勢と言える展開だった。その流れを一変させる2ゴール。FW小林志紋(広島ユース)が大学生相手に特長を発揮し、チームを勝利へと導いた。

 まずは後半開始直後、左サイドの小林は中央のFW浅田大翔(横浜FM)から出されたパスに反応。ボールを受ける前にGKの位置を確認し、右足ダイレクトでゴールへ流し込んだ。さらに12分には、DF竹野楓太(神村学園高)の右クロスから2点目のゴール。中央でFWマギージェラニー蓮(琉球U-18)が潰れ役になったこともあり、ファーサイドでフリーになると、トラップからやや時間を掛けて冷静に右足シュートをコースに沈めた。

 小林の2ゴールによって3-1。小林はその後も前線から下りてボールを引き出すと、マンツーマンで来る相手DFを外して攻撃にリズムを生み出した。また、スペースへ飛び出す動きから切れ込んでシュートも。前半、ピッチ外からチームの課題を確認し、それを改善して後半のゴールラッシュに結びつけた。

 小林は「前半ちょっとチーム的に上手くいってない部分もあったんで、後半そこで修正していこうっていう中で、自分が起点となって流れを変えていくっていうのは意識して入ったんで、そこで2点取れて流れ変えれたのはいい感じにできたなと思います」。狙い通り、自分の特長で違いを生み出したことに胸を張っていた。

 合宿直前のプレミアリーグWEST・神村学園高(鹿児島)戦(9月21日)ではミドルシュートで2発。逆転勝ちの立て役者になった。今季のリーグ戦成績はこれで11試合8得点。「いいイメージで代表活動にも来れたし、そこで勢いつけれたのがここに繋がってるのかなって思います」と微笑む。広島ユースでできていることを、代表チームでもしっかりと表現して見せた。

 4月のU17アジアカップで学んだことがある。「(予選リーグは3試合とも)スタメンで出れなかったし、やっぱスピード、フィジカルの面でも違いを見せつけられましたし、そういうところがワールドカップに向けて成長してしないといけないなと思いました。(あと、)アジア、特にベトナムとかちっちゃい選手がいるんですけど、メンタル的な部分で『絶対負けたくない』っていう気持ちが強く感じたんで、そういう部分は負けないようにしたいなとは思います」。小林自身も身長166cmと小柄。だが、執念で日本から同点ゴールをもぎ取ったベトナムのように、世界相手でも気持ちでは絶対に負けないで挑戦する意気込みだ。

 そして、「チームが苦しい時とか、やっぱ大事なところで点取るのが自分の特長だと思うんで、そういうところでチームに貢献したいと思います」。悔しい結果に終わったU17アジアカップから基準を変え、より結果でチームを勝たせることを目指してきた。今回、U17アジアカップ以来となる代表活動でそれを再び証明。活躍を2試合、3試合と続け、U-17ワールドカップまでに自分の価値をさらに高める。

後半開始直後、右足で1点目のゴール
アシストのFW浅田大翔(横浜FM)とゴールを喜ぶ

(取材・文 吉田太郎)


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Source: サッカー日本代表

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