U-17日本代表で新たなチャレンジ。神戸トップチーム昇格のMF瀬口大翔(神戸U-18)は前向きに新たなポジションでのプレーに挑戦し、守備でハードワークしながら自分の武器で違いを生み出そうとしている。
U-17日本代表候補合宿2日目の28日に行われた大阪体育大との練習試合では、右ウイングバックとしてプレー。4月のU17アジアカップでは得意とするシャドーでプレーしていたが、6月のスペイン遠征で右ウイングバックを務め、今回の大阪合宿でもサイドでのプレーが続いている。
本人は「どっちもできた方がやっぱいいので」と前向き。大体大戦では、チームが相手のマンマークに苦しむ中、「自分は剥がすところに自信持っている」という瀬口が右サイドで幾度か目の前の相手を剥がしてボールを前進させていた。
この試合は30分間ほどのプレーだったものの、交代直前には速攻から右サイドを駆け上がり、右足シュートを打ち切った。「攻撃は自分得意なんですけど、ここの代表では守備の部分でも求められてるんで、まず守備から入って、自分はそこから攻撃に出ていく感じの方がいいかなと思います」。前半はチーム全体が押し込まれる中、我慢強くコーチ陣に教わった守備対応を全う。そしてチャンスがあれば、ゴールに向かうという部分を表現していた。
U17アジアカップでは初先発した準々決勝のサウジアラビア戦で先制PK。だが、選手層の厚いチームの中で十分に出場機会を増やせず、チームも8強敗退と悔しい大会になっている。現在、主将を務める神戸U-18はプレミアリーグWESTで首位を快走。チームのタイトル奪取も重要だが、瀬口のU-17ワールドカップ(11月)メンバー入りへの思いは非常に強い。
「まず選ばれることから。そこから自分が何できるかをやっぱ多くの人に見てもらわないといけない」
U-17ワールドカップはポルトガルやモロッコと同組の激戦区。難しい戦いが予想されるが、瀬口は「相当強いし、能力が違うところもある。でも、圧倒的な差がある訳じゃない。自分たちも勝てる力をみんな揃えているので、こっちも粘って粘ってやっていくことと、この遠征をいいモノにしてみんなが同じ方向向いていけば勝てる相手やと思います」と言い切った。瀬口は守備で信頼されるレベルを維持した上で、ボールを奪われない部分や抜群のパスセンスといった武器で勝負する考えだ。
神戸U-18ではキャプテンマークを巻き、プレミアリーグWESTで5月から8連勝を記録。その間、U-17日本代表のフランス遠征で1試合を欠場したものの、2ゴールに加えてアシストを3つ4つと重ね、ゴールに係る回数も増やして見せた。トップチームデビューとトップチーム昇格を果たしているMFは中心選手として躍動中だ。
チームについては、「怪我人もおったんですけど、それを埋められるだけの選手層があったのと、帝京長岡(4月)と神村(学園、5月)に大敗した時に気持ち的にみんな落ちてる部分あったんですけど、(安部雄大)監督とかも含めて全員で立ち直るようにみんなが同じ方向向けたので。仲の良さがあるんですけど、その仲の良さが悪い方向に行く時もあるけどホンマに良いチームになってきたと思います」。瀬口は今回の大阪合宿のために27日の神村学園高戦を欠場。この試合で引き分けて連勝はストップしたが、神戸U-18のチームリーダーはプレミア制覇とU-17ワールドカップでの活躍の“両取り”へ、まず自身のアピールを続ける。
「(今回のU-17日本代表候補大阪合宿は)最後の日(10月1日)に試合あるんで、そこに向けてみんなで喋っていって、ワールドカップに向けてプレーを合わせていかないといけないし、最後の試合でいいプレーを見せられるように頑張ります」。複数のポジションでU-17日本代表に貢献できることを示し、U-17ワールドカップメンバー入りへ。今季の残り数か月で目標を一つ一つクリアし、来年以降のトップチームでの活躍に結びつける。




(取材・文 吉田太郎)
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Source: サッカー日本代表
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