[関東2部]争奪戦になる前に…「戻れて嬉しい」拓殖大3年生MF吉原優輝は“関根ルート”早期退部でG大阪帰還

この日は累積警告のためにグラウンド脇から試合を見守った
[10.19 関東大学L2部第17節 拓殖大2-1法政大 拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場]

 首位・法政大との大一番だったが、MF吉原優輝(3年=G大阪ユース/G大阪内定)は累積による出場停止となっていた。しかし拓殖大は2-1で接戦をものにし、1部昇格に望みを繋いだ。

「そんなにすぐに決まると思っていなかったので、びっくりというのが素直な感想です」

 吉原のガンバ大阪への入団内定が発表になったのは、今月8日のことだった。驚かされたのは26シーズンからの新加入だったこと。拓大は近年でもDF関根大輝(当時柏、スタッド・ランス)やMF日野翔太(鳥栖)を大学4年生シーズンにJクラブに送り出した実績があるが、吉原もまた大学サッカー部を早期退部して入団することになる。

 吉原は今季の大学リーグで6得点を記録することからも分かるように攻撃力を併せ持つボランチだ。1部リーグを戦っていた大学1年生の後期から先発機会を掴むと、昨年は控えに回ることも多かったが、背番号10を託された今季は累積で欠場するまでリーグ戦全試合に先発出場していた。

 G大阪から正式に話があったのは、6月1日の早稲田大戦のあとだったという。「そこからパンパンと決まった感じ」。契約後はそれまでしていなかったというチーム練習にも2度ほど参加した。

吉原はリーグ戦のあとに行われた練習試合に出場していた

 ジュニアユース、ユースと中高の6年間を過ごしたクラブへの帰還となるが、中学時代は高円宮杯U-15を制した黄金世代にあって、主に控えに回ることの多い選手だった。ただユースで頭角を現すと、22年にはトップチームの2種登録も経験。高校3年生の春にグロインペイン症候群を発症したこともあってトップ昇格は叶わなかったが、当時関東1部だった強豪大に進学することになった。

 そして拓大では経験豊富な指導者との出会いが成長速度を速めたようだ。「川勝さん(川勝良一テクニカルアドバイザー)がもっと前に入っていけ、動く幅と量を増やせとアドバイスをくれた。ユース時代はアンカーでどしっと、ほんまに動かん感じやったんですけど、いろんなところに行って動けみたいな。ペナに入る回数が増えた。ユースの時より明らかに運動量が増えたかなと思います」。Jスカウトの目をくぎ付けにするまでに、そう時間はかからなかった。

「大学に入って守備もやれるようになった。攻撃はもともと武器なので、今の時代は全部できるボランチじゃないといけない。強度も運動量も、攻撃のクオリティも全部高くして、俺にボールを預けておけばどないかなるという感じの選手までいきたいです」

 G大阪への本格合流は年明けのキャンプからで、今年いっぱいは大学の活動に専念する。リーグ戦は残り5試合で、プレーオフラインの3位・早稲田大とも勝ち点差6とまだまだ厳しい状況は続くが、最後まで昇格をあきらめずに戦うつもりだ。「ジュニアユースから育ててもらったクラブなので戻れて嬉しいです」。憧れ続けた古巣でのプロキャリアが、もうまもなく始まる。

(取材・文 児玉幸洋)


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Source: 大学高校サッカー

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