JFAがコンプライアンスに関するタスクフォース発足…宮本恒靖会長が座長に就任「信頼回復に取り組んでいきたい」

会見を行った宮本恒靖会長(写真右)と湯川和之専務理事
 日本サッカー協会(JFA)は28日、臨時理事会を開き、倫理・コンプライアンスに関するタスクフォースの発足を決議した。JFAでは今月、影山雅永前技術委員長が出張移動中にフランスで逮捕される不祥事が起きており、宮本恒靖会長が対応に乗り出していた。

 タスクフォースは宮本会長が座長を務め、弁護士の西本強氏が副座長を担当。湯川和之専務理事、山口香常務理事、三好豊法務委員長、今井純子リスペクト委員長の計6人で構成される。福田雅氏、生田圭氏が監事を務める。JFAのガバナンス・コンプライアンス体制の構築・運用は制度上、理事会の専権事項のため、タスクフォースは諮問機関としての位置付けとなる。

 JFAはタスクフォース設置の背景として「サッカー界でコンプライアンス事案が散発的・断続的に発生しており、これらの事案を未然に防ぐための組織体制が十分に構築できていない」と指摘。影山前技術委員長の逮捕のみならず、日本代表選手の逮捕やJFAメディカルセンターでの診療報酬の不正請求事案もタスクフォース設置の一つの契機となったという。

 28日、記者会見を行った宮本会長はJFA内での不祥事について「前技術委員長の件を始め、サッカー界でコンプライアンスに関わる事案が断続的に発生し、たくさんの方にご迷惑、ご心配をおかけしている」とし、「今回の件にとどまらず、個々は個人の事案というわけではなく、サッカー界として、JFAとして、何か未然に防ぐことはできなかったのではないかと考えている。私自身、会長として、当事者として今後の信頼回復に向けて取り組んでいきたい」と述べた。

 続けて宮本会長は「サッカー界の一人一人のコンプライアンスの実践、遵守への意識をより高くし、JFAの組織としてのコンプライアンスの実践、遵守を支える体制を構築することを目指し、具体的な改善策と再発防止策を策定して理事会に上程する」と指針を示し、「より広くサッカー界として他者をリスペクトすることの大切さやコンプライアンスの遵守をもう一度しっかり発信していくこと、浸透させていくことが大事だと考えている」と述べた。

 なお、影山委員長の不祥事を巡っては今月、メジャーパートナーのANAが日本代表戦の広告掲載を取りやめるという事態にも発展していた。湯川専務理事は「パートナーの皆様、スポンサーの皆様はANA様からだけでなく、再発防止に向けて徹底的なガバナンスとコンプライアンスの強化を図るように求められている。その点はしっかりと対応しないといけないと考えている」と述べた。

(取材・文 竹内達也)
Source: サッカー日本代表

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