U-17W杯“第3GK”平野稜太(大分U-18)「学ぶものが多かった」…主将村松の姿勢や迫力も刺激に「その中で一番になりたい」

GK平野稜太(大分U-18)
 2008年早生まれの最年長の一人としてU-17W杯に出場したU-17日本代表GK平野稜太(大分U-18)にとって、今大会は「学ぶものが多かった」期間だった。GKというポジション柄、チーム唯一の出場なしに終わったが、歴史的な快進撃を演じたチームの一員としての経験を今後のキャリアに活かしていくつもりだ。

 アクシデントがなければ途中交代はほとんどなく、ターンオーバー起用も大会中に1回あるかどうかというGKのポジション争い。“第3GK”という位置付けで今大会に臨んだ平野に出番が訪れることはなかった。

 それでもチームを支える役目に尽くしてきた。「試合に出場できずに悔しい部分があるけど、外からチームを見る形になって、チームを本気で応援するというのは普段なかなかない経験で学ぶものが多かった。今の一番の夢であったW杯の代表メンバーに入れたことが素直に嬉しかったし、試合に出たかったのはそうだけど、チームを支えることができるのも日本のためになれている気がして嬉しかった」。試合に出られない悔しさも、チームの一員としての誇りも、全てがかけがえのない財産となった。

 チームの結果としてはベスト8敗退に終わったが、「W杯の決勝トーナメントで2勝」「W杯のPK戦で勝利」という2000年代のFIFA国際大会では一度もなかった快進撃を演じた今回のU-17日本代表。その快挙にはアメリカから代表入りし、主将と正守護神の大役を務めたGK村松秀司(ロサンゼルスFC)の存在が欠かせなかった。

 彼のキャプテンシーとGKとしての振る舞いは、同じポジションの平野にも大きな刺激を与えていた。

 過去の活動は“すれ違い”だったため、平野にとっては今大会が初対面。「秀司が一番手で出ていて、日本にいるGKにはない迫力をとても感じたし、キャプテンシーも間違いなく一番あったし、チームを勝たせたい気持ちも一番強かった。それがプレーにも出ていたのでそういうところを見習うべきだと思った」。試合の中でのスーパーセーブに加え、チームを勝たせるGKとしての姿勢を深く学んでいた。

 さまざまな感情が入り混じる期間を過ごし、大きな目標もできた。「まず今の世代のトップ3人に入れたのは嬉しいし、山岸さん(山岸範宏GKコーチ)からもこの3人は迷いなく選んだと言ってもらえたのは嬉しかったけど、その中でも一番になりたいと思った」。そのためにはまず、所属先の大分U-18でのプリンスリーグ九州、そして来季から控える新たなステージでの飛躍が欠かせない。

「自分はリーグ戦が残っているので、2連勝できるようにというのと今回の経験を活かして後ろからチームを支えることと、セーブもしっかりして自分が勝たせられる選手になれれば。得意なキックもそうだけど、まずはゼロに抑える力をつけて、チームから信頼されるような選手になりたい」。より明確なGK像を掲げ、努力を続けていく。

(取材・文 竹内達也)


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Source: サッカー日本代表

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