カタールでの連戦も「インハイに比べれば全然」…神村学園DF竹野楓太はU-17W杯の悔しさ胸に夏冬連覇へ「決勝で会おうと話した」

MF竹野楓太(神村学園高)
 負荷の高い右ウイングバックのポジションで5試合合計約300分間の出場。U-17日本代表MF竹野楓太(神村学園高)はU-17W杯で確かなインパクトを残した。「有村先生(神村学園高の有村圭一郎監督)からも走ることは大前提としてやれと言われていたし、今までも走ってきたので。どんなにキツい試合でも走力は最大限に出せたと思う」。世界舞台での濃密な経験を活かし、夏冬連覇に邁進していく構えだ。

 当初は右ウイングバックのバックアッパーとみられていた竹野だったが、グループリーグ第3節ポルトガル戦でMF長南開史(柏U-18)が一発退場と3試合出場停止の処分を下されたため、決勝トーナメントでは3試合連続の先発出場。それもラウンド32の南アフリカ戦で64分間出場した後、中2日の連戦となったラウンド16の北朝鮮戦では90分間走り抜き、さらに準々決勝のオーストリア戦でも前半45分間のプレータイムを記録していた。

 夕方でも気温30度近いカタールでの連戦は心身に大きな負担をきたすもの。だが、竹野にはそれ以上の経験があった。

「地獄でしたね。あれは……」。そう振り返るのは夏のインターハイ鹿児島県予選。離島などへの配慮から、準々決勝以降が3日間連続で行われるスケジュールとなっているなか、竹野は3試合連続で先発出場していた。また初の全国優勝を成し遂げたインハイ本戦も決勝の延長戦途中に退いた以外はフル稼働しており、「それに比べたら全然。涼しかったし、試合が夕方からだったので全然でした」とあっさりと振り返る。

 またターンオーバー起用となったグループリーグ第2戦ニューカレドニア戦(△0-0)では前半に持ち味を発揮できず、悔いを残していたが、決勝トーナメントになってからは果敢なプレー選択も増加。「後半から良くなるのは自分の悪いところでもあると思っていたので、できるだけ早く相手を分析して、自分の頭で考えてやるのは意識していた」と大会を通じて成長した姿を見せていた。

 チームはベスト8敗退に終わったが、高校年代ではなかなか味わえない世界基準を体感し、課題を持ち帰ってきた。「世界を見た時に両利きが多くて、いきなり左足でシュートを打ってきたり、右足でクロスを出したりというところができて世界で通用しているんだなという選手が多かった。両足で蹴れるのは大きいなと思った」。日々のトレーニングから左足の技術向上に努めていく構えだ。

 そして竹野はこの冬、もう一つの大舞台を控えている。夏のインハイ王者として臨む全国高校選手権の目標はもちろん“夏冬連覇”。「(U-17W杯で味わった)この悔しさはサッカーでしか返せない。選手権に向けてこの1か月間、W杯で出た課題を突き詰めていって、自分の武器を最大限に発揮できれば」と意気込んでいる。

 同じく高体連からU-17W杯に参加していた流通経済大柏高のDFメンディー・サイモン友とは「決勝で会おうと話した」といい、U-17W杯メンバー同士の再会にも期待が集まる選手権。「夏に全国を取ったので、取るべくして取ったと言われるように冬も自分が躍動してチームを勝たせられる選手になれればと思います」。182cmの強健な体躯と走力を兼ね備えた2年生SBが再び頂点を見据えた。

(取材・文 竹内達也)


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Source: サッカー日本代表

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