
[11.22 関東大学L1部参入PO 慶應義塾大 0-3 法政大 味フィ西]
法政大のMF峯野倖(1年=市立船橋高)は関東大学リーグ2部新人賞に輝いた飛躍のシーズンを笑顔で終えた。フル出場の入れ替え戦で3-0の快勝を収めて1部復帰に貢献し、「今まで1年間やってきたことが昇格(の結果)になって本当に嬉しいし、4年生は昇格の形で終われたのですごく良かった」と歓喜した。
市立船橋から法政大に進学した峯野は、1年生ながら関東大学L2部で22試合中16試合に先発出場した。その一方、優勝が懸かったリーグ最終節は「実力で」(峯野)メンバー外となり、チームは0-4の敗戦で自動昇格を逃して入れ替え戦に回る3位に転落。強烈な悔しさを感じた峯野は並々ならぬ熱量で入れ替え戦のピッチに立っていた。
「前の試合でベンチ外になってその悔しさをピッチに出すことを意識した。相手のボランチ(慶應義塾大MF田中雄大/横浜FM内定、MF角田惠風/1部ベストイレブン)がどちらもプロレベルですごい選手でオグくん(法政大MF小倉幸成)もすごい中、大勢の人が見てくれている中で自分が一番目立ってやろうと気合いを入れてやりました」
柳沢将之監督から求められたのは慶應義塾大の2ボランチを抑えること。「その2人を抑えれば勝利に近づくと言われていた」といい、持ち味のボール奪取能力を発揮しながら小倉と連係して相手を自由にプレーさせず無失点勝利を導いた。
「悔しさをピッチに出す意識が(プレーに)現れた。自分のストロングである守備や走る部分を出せたのはすごくよかった」と峯野。ただ、後半の中盤ごろからは相手にボールを握られる時間帯が続き、「入れ替わられたりするシーンが多かったのでそこは実力不足だなと思った」と反省も欠かさなかった。
峯野は高校時代になかなか各大学からの誘いを貰えなかったようだが、法政大から待望の話を受けて練習参加。進学した決め手の一つに雰囲気の良さを挙げつつ、「ボランチにすごい選手が多いのは知っていたので、そこに飛び込んで勝負したかったのが一番」と話す。
法政大の中盤には入れ替え戦で2ボランチを組んだU-20W杯メンバーのMF小倉幸成(2年=鹿島ユース)や清水エスパルス内定のMF大畑凜生(4年=矢板中央高)、横浜F・マリノス内定のMF松村晃助(3年=横浜FMユース)を筆頭に錚々たるメンバーが在籍しており、プロ入りを目指す上で成長できる絶好のチームとして入部を決断した。
入部後は「試合に出ていないときの取り組みや早く練習に来て準備することとか、そういう部分は先輩たちを見て学んでいかないといけないと思った」と日常から学び、ともに練習に励む中で「毎日刺激になるし気を抜いたらスタメンがすぐ変わってしまう。そういう面では恵まれた環境でできていると思う」との危機感も持ちながら研鑽を積んでいる。なかでも世代別代表で世界と対峙し、どの相手にも物怖じしない1学年上の小倉の存在は大きいようだ。
「もう学ぶところだらけ。ボールを取るところ、ビルドアップの立ち位置、展開、キック、メンタルの部分とか全部を学んでいけた。追いついて追い越したいし、いっぱい学んだ1年でした」
峯野は「正直これだけ試合に出られる1年だとは思っていなかった」と話しつつ、日々の努力が新人賞に繋がったことを喜ぶ。それと同時に「自分のせいで勝てなかったりとか、たくさん迷惑をかけた部分が大きかった。最後まで迷惑をかけた」とも語り、「これからも献身的に頑張るところは変わらない。もっとやらないとダメだなと思った」と気を引き締めた。
1部で戦う来シーズンは特長の守備面を磨くだけでなく、ゴール前へ顔を出す回数を増やして今季1得点にとどまった攻撃面での貢献も増やしていく考え。峯野は「基礎やキックの部分がまだまだ法政大でもレベルが低い方なので、自主練や練習から意識して取り組んでいきたい」とも力を込め、2年連続での個人賞受賞として1部ベストイレブンも狙いながら中心的な存在になれるように意気込んだ。
(取材・文 加藤直岐)
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Source: 大学高校サッカー


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