[関東]高校3冠から順天堂大入学即1部デビューも最後は3部降格、“激動と混乱”の4年間を終え…主将DF三輪椋平「どんな道でもプロに」

[関東]高校3冠から順天堂大入学即1部デビューも最後は3部降格、“激動と混乱”の4年間を終え…主将DF三輪椋平「どんな道でもプロに」
[11.22 関東大学L2部参入プレーオフ 順天堂大0-1立教大 埼玉ス第2]

 3部リーグに降格が決まった順天堂大の主将DF三輪椋平(4年=青森山田高)はしばらく心の整理がつかない様子だった。「自分がキャプテンで引っ張れたのかな」。自問自答するように話した背番号4は、「プレーでキャプテンらしいことができなかったことが悔しい」と言葉を絞り出した。

 12歳で親元を離れて中高を青森山田で過ごした。MF松木玖生(サウサンプトン)は同学年で、高校3年生の時にはインターハイ、プレミアリーグEAST、高校サッカー選手権の3冠を達成した。レギュラーCBだった三輪は、FW名須川真光とともに順大に進学。三輪は入学間もない1年生の大学1部リーグ開幕戦からフル出場デビューを果たした。

 ただ順大の4年間は激動と混乱を過ごした。入学した22年に堀池巧前監督のパワハラ疑惑が発覚。翌年より2部リーグを戦うと、同年は2部9位。プレーオフを引き分けて何とか残留したが、24年は2部で3位の好成績を残したが、プレーオフに引き分けて2部リーグに残留していた。

 そして今季は再び苦戦。2部10位で自動降格こそ免れたが、立教大(3部3位)との2部参入プレーオフに敗れて、初の3部降格が決まった。三輪も「去年のメンバーが多く残っていたので、まとまってパワーを出せれば1部を狙えるチームだと思っていた」と振り返るが、「悔しいというか、情けないです」と声を震わせた。

 卒業後のプロを目指していたが、現状で進路は決まっていない。「練習参加も2チームくらい行ったけど、オファーは来なかった。このあともどうなるか分からない」。一方で就職活動を済ませており、警備サービス会社から内定が出ているが、ギリギリまで待ってもらっている。「練習参加に行けるとかならという感じです」。とにかく最後まで希望を捨てずに、後悔しない選択をするつもりだ。

「自分とか沼田(晃季、青山学院大)、東海の大戸太陽、名須川とか夢積(田澤、新潟医療福祉大)とか、プロが決まっていない組は結構連絡を取っている。全員でプロになりたいねと言っていて、どこか練習参加いったとか。辞めて次の道に行くという話も聞いている人もいるけど、どんな道でもプロになりたいし、(サッカーで)プロになれなくても、J組に負けないように刺激を与えていきたい」

 激動と混乱を戦った大学4年間だが、「充実」はあったという。「ここを選んで、順大で4年間サッカーができて楽しかったなと思いますし、もちろん上手くいったこともいかなかったこともあったけど、振り返ると成長できた。いい仲間に恵まれて、サッカー以外もいろいろ考えさせられることがあったけど、充実した4年間でした」。決して思い通りではなかったかもしれないが、振り返ればそこには未来へとつながる轍が刻まれている。

(取材・文 児玉幸洋)


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Source: 大学高校サッカー

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