なでしこJ最年少19歳から漂い始めた貫禄…カナダ戦で対人圧倒、古賀塔子が振り返る半年間の成長「紗希さんに負けないくらい大きな選手に」

DF古賀塔子(左)
[11.29 国際親善試合 日本 3-0 カナダ ピースタ]

 完封への意地を見せた。試合終了直前、至近距離からの相手のシュートをヘディングでクリア。なでしこジャパンのDF古賀塔子(トッテナム)は「ずっと無失点がなかった。勝ててもいなかったので、無失点で勝てたことは本当にうれしい」と完封勝利の喜びを語った。

 今年からスタートしたニルス・ニールセン監督体制は、シービリーブスカップで3連勝の初優勝を飾ったものの、その後は白星から遠ざかった。国内組中心のE-1選手権で1勝を手にしていたが、海外組中心の主力チームではシービリーブス杯以降の国際親善試合6試合で未勝利(4敗2分)。今回の無失点勝利は、シービリーブス杯初戦・オーストラリア戦(○4-0)以来のものになった。

 4月以来の日本での親善試合だ。「日本でやる機会なんてほとんどない。WEリーグでプレーしていない分、日本でやる試合は特別。勝ちたいという思いがより出た」。そう語る古賀は、最終ラインで奮闘した。

 古賀は前半20分、カウンターに出たFWホリー・ウォードとの1対1を完全に制す。同27分には右サイド際に寄り、最前線にパス。田中美南につなげ、清家貴子の突破を演出した。90分間を通して、カナダの得意なカウンターを封印。被シュート4本に抑え、3-0の完封勝利を果たした。

 特に、対人守備では成長を語る。今年夏にはフェイエノールト(オランダ)からトッテナム(イングランド)に移籍。「毎週末、世界のトップクラスのFWとプレーできているなかで、自分自身も対人の部分で自信を持ってできている。今日の試合もそういうところを出せてよかった」。トップレベルの欧州リーグ間でも、オランダとイングランドではわずかな違いがあるという。

「オランダ人選手もでかくて速い。だけど、それに加えて(イングランドのリーグでは)本当に上手さがある。自分たちはよりスピードだけじゃなく、その上手さにも対応していかないといけない」

 2023年11月30日、池田太監督体制のブラジル遠征に参加した古賀は、17歳10か月25日でなでしこジャパンデビューを飾った。昨年夏のパリ五輪の戦いを経て、ニールセン監督体制でも主力として台頭を続ける。DF高橋はな、MF藤野あおばとともに、先発9試合はチーム2番目の数字だ。

 パリ五輪までのプレーでは、ピンチの場面であわてることも少なからずあった。だが、今回招集されたメンバー内で最年少の19歳は、カナダ戦で貫禄すら漂うほど余裕を持ったプレーを見せていた。

「ニルスさんになってから出場機会が多くなったなかで、CBとしてチームを勝たせる選手になっていかないといけない」。目指すのは、最終ラインでコンビを組む最年長・熊谷紗希。古賀は「紗希さんに負けないくらい大きな選手になれるようにがんばりたい」と、一歩ずつ存在感を高めていくつもりだ。

(取材・文 石川祐介)
Source: サッカー日本代表

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