[選手権]自分と同じ「14」と主将を務めた先輩の活躍が刺激に。決勝点の帝京長岡FW堀颯汰はより期待に応えるため「満足せずにやりたい」

後半21分、帝京長岡高FW堀颯汰(3年=FC.フェルボール愛知出身)がGKをかわして決勝点
[11.3 選手権新潟県予選準決勝 帝京長岡高 4-2 北越高 五十公野公園陸上競技場]

 帝京長岡高の特別な番号、「14」を背負う主将が決勝点を決めた。2-2の後半21分、FW堀颯汰(3年=FC.フェルボール愛知出身)は背後へのボールを処理しようとした相手DFとGKにできた一瞬の隙を逃さない。

 ブロックされている状態から巧みに入れ替わってボールを奪うと、さらにGKをかわす。そのまま左足で勝ち越し点を流し込んだ。「入れ替われるかなと思っていたら、入れ替われて無人のゴールに流し込めた」。2-0から追いつかれる苦しい展開。だが、「特に焦りはなく、0-0になっただけだから落ち着いてやろうと」チームメートを安心させていたFWのビッグプレーが決勝点となった。

 この日は、北越高の強力CB高橋泰輝主将(3年)とのマッチアップ。「前には強いのは分かっていたので、逆に入れ替わることは意識していた」。相手と駆け引きしながらボールに係わり、チャンスを作り出した。

 そして、決勝点。ただし、その前に相手を突き放すチャンスがあったことも確かだ。谷口哲朗総監督は「1年生から試合に絡んでいる選手として、こういう舞台では経験値がモノを言う。彼に課されているノルマは他の選手よりも大きいと思うので、そういう意味では及第点に届くか届かないかくらい」と厳しい評価だった。

 そして、「決勝点を取ったところは良いけれど、(その前にあったチャンスで)あそこを決め切る力、苦しい時間でチームを引っ張る力を含めて彼の伸びしろだと思う」。鋭いドリブルとラストパスに加え、プリンスリーグ北信越1部得点ランキング首位の決定力の持ち主。本人も指揮官の期待により応える覚悟だ。

「常に求められることがあるので、そこは満足せずにやりたいと思っています」。10月、OBのU-22日本代表MF谷内田哲平(現京都)がアジア競技大会直後に帝京長岡に来訪。谷内田はアジア競技大会で2試合連続FK弾を決めるなど、日本の準優勝に貢献した。その先輩は3年時の19年度選手権で全国3位。堀と同じ14番を背負い、主将としてチームを引っ張っている。

「ああやって14番とキャプテンをつけている同じ先輩で、それが代表で活躍していることは刺激になりますし、そういう選手になりたい」と堀。谷内田のようにFKのキッカーは務めていないが、「他の得点で決めれたらと思っています」と意気込んでいる。

 偉大な先輩は全国3位と帝京長岡の歴史を塗り替えたが、日本一、プレミアリーグ昇格を実現することはできていない。堀は歴史を変えるため、まずは12日の決勝でゴールを決めて勝ち、2つの目標達成へ向けて弾みをつける。

(取材・文 吉田太郎)


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Source: 大学高校サッカー

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