[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.12 選手権長崎県予選決勝 長崎総附3-1国見 トラスタ]
FW福島文輝(3年)が試合の流れを掴む得点と、勝負を決める得点の両方を決めた。
まずは前半7分、長崎総合科学大附高は左サイドからCKを上げると、福島とDF浅見歓太(3年)のシュートが連続してクロスバーに当たったが、跳ね返りを福島が3度目の正直とばかりに右足で豪快に蹴り込んで先制点を決める。
さらに1点ずつを奪い合って迎えた後半26分には左サイドをドリブルで突破したMF尾島栞蓮(3年)のクロスを右足に当てて流し込んで、この日自身2度目の歓喜の輪を作った。
「(1点目は)練習からもずっとやっていたので、1回目で決められなかったのは改善点かなと思います。でも日ごろから定方先生に常にこぼれを狙って行けと言われていたので、自然と体が動きました。2点目はオジが頑張ってくれて、あそこまで運んでくれた。みんなのおかげです」
夏前にトップチームから外される経験をしていた。ポテンシャルについては定方敏和監督も認めていたが、その能力を発揮しきれない精神面の改善を期待して、一度、メンバーを外す荒療治に打って出ていた。
奇しくも福島がトップチームを外れた夏場にチームは上昇気流を掴んだ。春先に勝てなかったプリンスリーグ九州で結果が出始めると、同ポジションのFW新垣太一(3年)らが結果を残す姿に「正直めちゃくちゃ焦った」という。
ただそこで地道にトレーニングを続けることもできた。これまでも言われてきた前線からの守備や、競り合いの徹底を見直すことで、定方監督の信頼も取り戻していった。「よく頑張れるようになりました」。指揮官も目を見張るほどの変化が見られたという。
そして高校最後の大舞台、高校選手権の予選で一番の結果を残したのも福島だった。初戦となった3回戦の島原高戦で5得点を決める大爆発をみせると、決勝の2発で大会通算7得点。長崎南山高のFW浦大世(2年)と並ぶ大会得点王に輝いた。
卒業後に進む予定でいる大学サッカーに弾みをつけるためにも、全国での飛躍を誓う。「(インターハイで)国見が全国であそこまで(4強)戦えていたけど、自分たちも劣っているとは思っていない。目標は国立に行くこと。勝って国立に行きたいです」とさわやかに意気込んだ。
(取材・文 児玉幸洋)
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Source: 大学高校サッカー
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