[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.3 高円宮杯プレミアリーグWEST第22節 広島ユース 3-2 神村学園高 安芸高田市サッカー公園(天然芝)]
2年ぶり6回目のプレミアリーグWEST優勝を引き寄せたのは2008年1月生まれ、まだ15歳の1年生だった。2-2で迎えた後半40分、サンフレッチェ広島ユースMF小林志紋の勝ち越し点が、苦戦を強いられたチームを救った。
後半16分から登場し、残り5分となったところで、エリア外左サイドから右足シュート。「あまり距離は分からなくて、ボールとゴールだけに集中して打ちました。気持ちで決めた感じです。得意としているコースなので、狙いすまして蹴ることができた」と振り返る鮮やかな一撃でファーサイドのネットを揺らし、控えメンバーが待つベンチ近くへと走ると、メンバー外の選手も含めて駆け寄ってきたチームメイトから手荒い祝福を受けた。
野田知監督が「シュート力があり、得点感覚を持っていて、何かやってくれる選手」と評するアタッカーは、これがプレミアリーグ2得点目。初ゴールは11月19日の第20節・大津高(熊本)戦で、やはり交代出場から2-1の勝利への逆転ゴールを決めている。この試合も含め、最後の4試合で4連勝して頂点に立った道のりにおいて、スーパーサブとして貴重な働きを見せた。
ジュニアユースから昇格した今年度は当初、プレミアリーグではなく、セカンドチームの一員として1つ下のカテゴリーであるプリンスリーグ中国でプレーしていたが、ここでの活躍が認められ、プレミアのメンバーに。最後は優勝へのゴールを決め、「プリンスとプレミアでは、スピード感や強度が全然違う。プレミアリーグで通用するように意識して練習してきて、その成果が出ていたかどうかは分かりませんが、一つひとつの積み重ねが自信につながり、ゴールを決めることができたと思う」と喜んだ。
「優勝できてホッとしています」と笑顔を見せつつ、「ファイナルでも絶対にゴールを決めて、チームを勝たせられるように頑張りたい」ときっぱり。EAST王者の青森山田高(青森)と対戦する10日のファイナルでもゴールを決め、高校年代日本一に貢献するつもりだ。
(取材・文 石倉利英)
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Source: 大学高校サッカー
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