貢献度大きかった神村学園の下級生ダブルボランチ。1年生MF福島和毅は雨中でもブレない技術力を発揮し、違い示す

神村学園高のU-16日本代表MF福島和毅(1年=神村学園中出身)は攻守で勝利に貢献
[12.16 選手権鹿児島県予選決勝 神村学園高 1-0 鹿児島城西高 白波スタ]

 神村学園高が鹿児島県予選で初となる7連覇を達成。中でも、U-16日本代表MF福島和毅(1年=神村学園中出身)とMF新垣陽盛(2年)のダブルボランチの貢献度が大きかった印象だ。

 鹿児島城西高はロングボールやセットプレーで圧力を掛けてきていたが、下級生のボランチコンビはセカンドボールの攻防で奮闘。有村圭一郎監督も「新垣、福島って2人とも利いていましたね。あの辺でセカンドボールが回収できたので勝因だったと思います」と彼らの動きを高く評価していた。

 179cmの新垣はこれまでのCBから選手権予選はボランチとしてプレー。特に空中戦や味方との挟み込みなど守備面で効果を発揮した。準決勝では頭で3点目のゴールを決め、この日も攻め上がりからのヘディングシュートでFW西丸道人(3年)の決勝点を演出している。

 また、1年生の注目MF福島は抜群の動き。試合終盤の苦しい時間帯に相手のラストパスを読み切ってインターセプトするなど読む力の高さを発揮したほか、攻撃面では違いを生み出していた。

 前日からの雨で難しいピッチコンディション。リスクを回避するパスを選択する選手が増える中、技術力に絶対の自信を持つ1年生10番はサイドを変えるパスや縦パスなどを躊躇することなく、次々と通していた。決勝点も福島の左サイドへのミドルパスが起点だ。

「そこは技術の面では自信があるんで、雨で滑るけど、そこは上手くできました。今日の試合とかあったら、もう1つのミスで大きいピンチとかなるんで、 絶対ミスだけはやめようって思ってプレーしました」

 インターハイ予選では、まるで川崎FのMF大島僚太のようなプレー。ボランチの位置で抜群のキープ力や中央からのドリブル突破など一際目立つ動きを見せてJクラブのスカウト陣を唸らせていた。この日も自信を持ってボールを引き出し、攻撃に係わり続け、切り替えの速い攻守。また、セカンドボールでの反応の鋭さも光った。

「今日は相手のロングボールが多いって良く分かっていたので、セカンドボールを陽盛さんと『絶対拾う』って昨日から話したんで、セカンドボールのところでは結構激しく頑張っていました。セカンドボールを拾うだけで相手の攻撃とか全て潰れると思ってたんで、セカンドボール、ルーズボールは絶対自由にやらせないって思ってやっていました」

 有村監督はその福島について、「もうちょっと点が取れる選手になって欲しいとは思ってるんで、ちょっと来年1年かけて覚醒させたいなっていうのは思ってますけど。でも、現段階で言えば、それなりのパフォーマンスは出せてるんで、将来楽しみですよね」とコメント。本人もより上のステージへ行くために得点力の向上を掲げていた。

 ドリブル、パスで割って入る動きも狙っているが、本人は「ミドルシュートっていうのが今1番自分にはないかなと。ボール回しはできるんですけど、ゴール前でのプレーだったり、ロングシュートとかで点に関わることがないんで、そこはやっぱり自分ももっと頑張んないといけないなって思っています」。向上心を持って取り組み、ゴールも決める。

 2週間後には福島にとって初の選手権がスタートする。「去年、(先輩たちが)国立でプレーしているのをテレビで見たんで、今年はそこまで勝ち上がって国立でプレーしてみたいなって思います。まず1試合でも多く勝って、たくさん試合して、自分もいいプレーして、いろんな人の目に留まるようにしたい」。言葉数が少ないと自己分析する一方、ほとんど緊張しないという1年生は大舞台でも物怖じすることはない。選手権でも力を存分に発揮して神村学園の躍進に貢献し、ブレイクする。

(取材・文 吉田太郎)


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Source: 大学高校サッカー

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