プリンス九州1部で14戦13発。2か月ぶりに帰ってきた日章学園FW田上遼馬「得点王という部分には一番こだわってやっていきたい」

強豪・明治大へ進学。日章学園高の強力FW田上遼馬(3年=日章学園中出身)の目標は得点王と国立準決勝進出
 第102回全国高校サッカー選手権が28日に開幕する。宮崎県予選3試合で14ゴールと攻撃力に注目の日章学園高は、国立競技場で開催される準決勝進出が目標。その中心選手の一人、FW田上遼馬(3年=日章学園中出身)はプリンスリーグ九州1部の14試合で同リーグ3位の13得点を叩き出している強力ストライカーだ。体の強さを活かしたポストプレーも注目のFWだが、選手権予選準決勝で膝を負傷し、同決勝とプリンスリーグ終盤戦、プレミアリーグプレーオフは欠場。プレミアリーグプレーオフで敗退した悔しさも持ちながら、選手権初戦への準備を進めてきた。卒業後は関東の強豪、明治大へ進学。その注目FWが全国大会でチームを勝利へと導く。

―シーズンの後半に離脱。プレミアリーグの参入戦とか特に出たかったんじゃないかなと思うけど、現在、どのような心境なのか教えて下さい。
「選手権に関しては、とにかく(みんなに期待して)全国に出る。出ないと自分がもうプレーできないっていう感じだったので、そこはみんなに勝ってもらうしかないっていう思いで。特に不安もなかったんですけど、そこに関しては安心して見れたんですけど、(高岡)伶颯とかハットトリックして、ああいう活躍している姿を見て、やっぱり悔しいという思いの方が大きかったかなって思います。参入戦に関しても、ずっとここ1年間、プリンスリーグで戦ってきて、リーグ戦の最後の方も出れなかったし、そういう面も含めて、チームの勝ち負けももちろん大事ですけど、個人的にはやっぱり出れなかった悔しさっていうのが大きかったです」

―自分がいればと。選手権への思いはより特別なものに。
「特に選手権に関しては、去年もスタートで出れなくて、途中出場で出たんですけど、出ても何もできずに終わってしまって。特に選手権に関しては悔しい思いが他の大会に比べて大きいので、選手権で悔しい思いをしたっていうのは、選手権でしか返せないと思うので、そこは自分の最後っていうところもあって、より一層頑張りたいなと思ってます」

―去年の自分と今の自分、どういうところが変化、成長できましたか?
「去年も、得点はちょくちょく取れてはいたんですけど、自分の得点パターンだったりとか、どこにいれば点が取れるのかっていうことをあまり考えてプレーはしていませんでした。より得点数を増やすためにっていうところで、いろんな試合の映像とか見たりして、どこにいる時に一番点が入ってるのかとか、どういうプレーをした時に点が入ってるかっていうのを自分で研究して、そういう得点パターンていうのは増やそうという努力はしてしました」

―バリエーションが増えたり、絶対的な形ができた?
「この形、というものが。特にヘディングに関しては、シュートの部分だけじゃなくて、ロングボールで競り合う部分でも負けないっていう自信はついたし、そういう面も含めて、クロスからのヘディングっていうのは、武器としてやっています。でも、去年に関しては、右SBの蔵屋明徹君(現福岡大)が良いクロスを上げてくれて、それをヘディングするっていうパターンが多かったんですけど、今年はサイドにクロッサーっていう感じのタイプの人はいないので、その中でどういうクロスをもらうかっていうのは、去年以上にいろんな要求をしながらやってきた部分はあります」

―実際、それがスコアにも繋がったかなと思うけれど。かなり発揮できたっていう手応えもある。
「そのヘディングっていう部分に関しては、結構得点数も繋がってきたかなとは思うんですけど。それ以外の部分で、もっと得点のバリエーションだったりとか、個人で打開するというところではまだまだだったので、そこが得点数がつき抜けなかった部分かなと思います」

―その課題を改善するためにもこだわってきた。
「やってきたんですけど、まだまだ足りないです」

―日章学園へ進学した理由は?
「元々、(宮嵜)市内の街クラブのチーム(アリーバ)に小学校の時はいて、そこの人は大体そのまま中学生でジュニアユースに上がるんですけど、自分がちょっと市内から外れた場所に住んでて、地元の中学校からじゃ時間的に通えないっていうことで、日章にしました」

―日章学園での6年間については?
「中学校の時は、自分はキャプテンをしていて、そこで周りを見る力だったり、今何をすべきかっていう考える力ってのはだいぶついたと思うし、高校に入って、キャプテンという役じゃなくなっても、そういう力は活きているかなと思います」

―憧れのFWは?
「ペナの中の落ち着きとか最後フィニッシュの部分だったら、やっぱりレバンドフスキ選手とかはいろんなプレーとか見たり、動画とか見て 自分のイメージを作ったりしています」

―現在、自分が一番見て欲しいところは?
「競り合いと、体の強さと、あとはペナ付近になった時の相手に与える怖さっていうのは自信があるので、見て欲しいと思います」

―卒業後は明治大学へ進学。どのようなスタートを切りたい?
「まず、明治を選んだ理由として、憧れの先輩が行っていたというのもあるんですけれども。(現水戸の)村田航一さんです。明治は中学生の頃からずっと憧れていた大学っていうのもあって、プラス、やっぱり練習参加した時にその雰囲気とか、取り組む姿勢とかっていうのは、やっぱり他の大学とは全く違うなっていうのを感じたので、改めて行きたいなって思いました。そこでプレーできるっていうのは、もちろん嬉しいことではあるんですけど、憧れだけじゃなくて、入った時にはもう関係なく、1年生から出れるような準備はしていきたい」

―村田選手は明治大学からプロへ羽ばたいて行った選手。話したりも?
「いえ、航一君とあんまり喋ったことはないです。中学校の時に少し喋ったけど」

―選手権。今年、結果を出せる手応えは?
「それはもう個人としても、チームとしても自信はあります」

―得点を量産していける選手だと思うが、どういう大会にしたい?
「まずはやっぱりFWっていうこともあって、まずはチーム内で(高岡)伶颯に負けないっていうのもそうですし。それが大会としての得点王っていう部分にも直接繋がってくる部分だと思うので、その得点王という部分には一番こだわってやっていきたいですし、やっぱ高校選抜にも選ばれてそこでも活躍したいなと思っています」

―選手権は得点王と国立。
「個人としては、得点王と高校選抜に選ばれて活躍することっていうところで、チームとしては、この新チーム当初からずっと『国立でやる』っていうのは言ってきた目標の1つであるので、それを高校3年間の集大成として、国立でプレーしているのを見せるっていうのは、一番の目標かなと思っています」

(取材・文 吉田太郎)


●第102回全国高校サッカー選手権特集
Source: 大学高校サッカー

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