CFとしての怖さ示した京都橘FW増井那月、「U17地域トレーニングキャンプ関西」最終日に2発

京都橘高FW増井那月(2年=大阪市ジュネッスFC出身)は紅白戦の1本目に右足ループで先制点
 関西の高校2年生のタレントたちが集結した「2023 U17地域トレーニングキャンプ関西」。京都橘高(京都)FW増井那月(2年=大阪市ジュネッスFC出身)が、最終日(17日)の紅白戦(30分×3本)で目立つ動きを見せた。

 合宿初日に行われたびわこ成蹊スポーツ大との練習試合では無得点。パワーショットを打ち込んだほか、前からの積極的な攻守を見せていたものの、連係面が上手く行かず結果を残すことができなかった。

 それでも、宿舎でコミュニケーションを取るなど改善。「自分の意見も言えて、何かみんな繋がったんかなと思います」という最終日の紅白戦は、チーム青のFWとして躍動し、2ゴールを叩き出した。

 まずは1本目18分、DFを背負いながらボールを受けてターン。挟み込もうとする相手選手2人とカバーのDF1人を強引なドリブルで剥がすと、最後はGKとの1対1から右足ループシュートを決めた。

「ゴールへ向かう気持ちを人一倍持って」プレーしたという増井は、さらに前線でボールを引き出し、ポストプレーで2点目のゴールをアシスト。2本目には強引に打ち切った左足シュートが3点目に繋がった。3本目にもゴール前のこぼれ球を押し込む形でゴール。前線で収める力や馬力のあるドリブル、鋭い抜け出しなど相手を苦しめた。

 センターフォワード(CF)としての怖さを表現し、コーチ陣からも高く評価されていた。ただし、本人に満足感はない。「最初に点決めれたんは良かったんですけど、その後、もっと声出したり、やっぱチームを引っ張っていかないといけないなと思いました」。守備、ゴール前の質など、この日出た課題の改善を目指していく。

 京都橘で下級生時から期待されてきた一人だが、今冬の選手権は出番がないままに初戦敗退。同学年のU-17日本高校選抜候補FW宮地陸翔(2年)とのポジション争いでライバルを上回ることができなかった。ラストの質や守備面が課題に。新チームでは現在、前で潰す力も評価されてCBとして奮闘中だ。その中で迎えた今回の活動は、「FWにどんな動きされたら怖いとか、そういうのが分かる」とCBでの経験をこの日の活躍に結びつけた。

 FW志望ではあるものの、任されたポジションで全力を尽くすだけ。「まず新人戦で1位になって、関西大会もあるんで、それで結果を残して、インターハイと選手権に繋げていきたい」。FW大迫勇也(神戸)に憧れる増井の目標は、高卒でプロ入りすること。自分の特長を伸ばすことだけでなく、課題の改善に目を向けて目標達成に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー

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