日本代表DF冨安健洋(アーセナル)が23日、アジアカップ第3戦インドネシア戦の前日会見に出席し、「僕たちから仕掛けて、叩きのめす気持ちでやりたい」と力強く決意表明した。また会見中にはチームマネジメントに関する森保一監督への質問に対し、自ら進んで“カットイン”。選手の立場からの見解を答え、指揮官の手法を支持する一幕もあった。
冨安はプレミアリーグで負った足首の怪我で全体練習合流が遅れたため、今大会の過去2戦はベンチスタート。イラク戦(●1-2)では後半開始から45分間の出場を果たし、試運転は完了しており、インドネシア戦での今大会初先発が濃厚となっている。
カタールW杯までDF吉田麻也が背負った22番を託され、アジア王座奪還へ大きな決意を持って迎えるアジア杯。ベトナム戦(○4-2)、イラク戦では自身がピッチに立っていない時間帯に4失点を喫しており、守備の修正が問われる中、新たなディフェンスリーダーとしての強い決意を口にした。
「間違いなく簡単な試合にならないことはわかっているし、アジアカップ、アジアの戦いが簡単じゃないことはベトナム戦とイラク戦でひしひしと感じている。間違いなく簡単な試合にはならないけど、イラク戦の反省もしっかりできているし、インドネシアも次のステージに進む可能性を残しているので、相手の勢いにのまれず、むしろ僕たちから仕掛けて叩きのめす気持ちでやりたい。個人的にはDFとして、ベトナム戦とイラク戦はクリーンシートに抑えることができていないので、クリーンシートに抑えるところに貢献できればと思っている」
さらにその後の質疑応答では、報道陣から森保監督のボトムアップ型のチームマネジメントに関する質問が飛び、指揮官がそれに答えていたが、別の質問を受けたはずの冨安が「これは僕にとっての質問じゃなく、森保さんへの質問だったと思うんですけど……」と異例のカットイン。選手の意見を聞き入れる指揮官の姿勢をフォローした。
「ボトムアップ型についての質問はベトナム戦後にあって、ベトナム戦後に言わせてもらったけど、森保さんが選手たちを信じているからこそできていることであって、それはポジティブなこと。選手も森保さんのためと思ってプレーするし、選手にとっても信頼されているというところでそのぶん恩返しじゃないけど、ピッチでのモチベーションにもつながるので、良い循環ができていると思う」
その上で、戦術変更をコーチングスタッフ主導で行うだけでなく、選手がピッチ上で行っていく際の自身の役割にも言及。「選手たちがピッチ上で変えないといけない部分はもちろんあるので、そういう中で僕だったり、(遠藤)航くんだったり、リーダーとなる選手たちがピッチの中で細かい調整をする部分がもちろん必要だと思う。それは(コーチからの指示と)両方できるのが一番良いけど、ポジティブなものだと思っている」と述べ、リーダーとしての気概も見せる会見となった。
(取材・文 竹内達也)
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Source: サッカー日本代表
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