[1.29 東北高校新人大会準決勝 青森山田高 1-2(延長)尚志高 Jヴィレッジ]
東北新人大会連覇を狙った青森山田高(青森1)は、延長後半7分の失点によって準決勝敗退。試合後、選手権優勝メンバーの左SB小沼蒼珠(2年=三菱養和SC調布ジュニアユース出身)は悔し涙を流していた。
小沼は涙の理由について、「1つは、(青森山田は)こんなとこで負けるようなチームじゃないっていうのと、去年は全然負けてこなかったので、負けに対しての……悔しいっていうか、衝撃っていうのが大きくて、『あー、こんな風に負けるんだ』っていう……凄く悔しかったですし、みんな、(本当に)勝ちたかったのかなっていうのが、正直な感想です」と明かした。
小沼は唯一の2年生レギュラーとして選手権優勝に貢献。選手権ではロングスローに注目が集まったが、対人守備の強さや運動量、クロスも光る実力派の左SBだ。この日は武器を発揮し、チームにアクシデントのあった前半はCBとしてもプレー。1点を追う延長後半終盤は前線へ上がってゴールを目指した。正木昌宣監督も認めていたように、誰よりも声を発し、一際ぶつけていた勝利への思い。本人は勝利を目指す姿勢の部分でまだ同学年の選手たちとの温度差を感じているという。
3年生はリーダーシップを取れる選手が多く、勝利に対しても貪欲。同じピッチで体感した自分が、今年のチームに伝え、良い形で浸透させなければならないと考えている。「自分がみんなを引っ張っていかないといけないですし、今日、空回りしちゃって相手に当たったりだとか、審判に当たったりだとかっていう、やっぱりそこは自分の甘さでもあるので、そういったところはこの負けをポジティブに捉えて、次の試合では成長して戻ってきたいなと思ってます」。冷静に、だが時に空回りするくらい熱くチームを引っ張り、青森山田を変えていく。
23年度はプレミアリーグ、選手権の2冠。24年は多くの視線を浴びる中で過ごす一年となる。小沼は「(連覇などの結果を勝ち取るために)やっぱ(昨年の)2倍、3倍、日々から努力していかないといけないと思います。それは、自分が1番分かってるんで、自分が先頭に立ってやっていきたい」と誓った。
U-16日本代表候補やU-17日本高校選抜候補に選出されているDFは、個人としても上のステージを目指す一年だ。「自分のストロングの対人だったり、運動量だったりだったり、クロスだったり、声かけっていう部分で、自分は良さを出せると思う。自分としては、プロ行きたいですし、“個人昇格”っていうところもそうなんですけど、まずは(結果でも)チームを勝たせる選手になって、その中でスカウトの人だったりに『こういう部分もできるんだ』っていうのを見せていきたい」。この日の敗戦を糧に「もう一回り、二回り成長して次の試合に向かっていきたいなって思っています」と語るDFが、必ず進化して新シーズンを迎える。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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