[新人戦]半年前は「思ってなかった」飛躍。Jクラブも関心の日章学園MF南創太はライバルの陰から表舞台へ

日章学園高のMF南創太(2年=ブルーウイングFC U-15出身)は九州大会で躍動中。Jクラブも関心を寄せる左利きのアタッカーだ
 半年前から「思ってなかったです。ここまで来るとは」という変化。日章学園高(宮崎)のMF南創太(2年=ブルーウイングFC U-15出身)は選手権予選やプレミアリーグプレーオフ、選手権全国大会で結果を残したり、印象に残るような動きを続け、今やJクラブが関心を寄せる程の存在になっている。

 昨夏に日章学園のAチームに上がったばかり。活躍し始めた時期も「今ちょっといいだけっていう気持ちで。どこまでいけるか想像できなかった」と危機感、向上心を持ち続け、努力を欠かさなかった。

 トレーニング中のゲームでも「試合に慣れてなくて。体力も少ないので、このままじゃダメだっていう気持ちで、動き回るっていうのを意識していました」。ゲーム体力向上に取り組んだ成果。現在、緩急を活かしたドリブルや左足という強みをハイレベルで表現している。

 17日から開催されているKYFA男子第45回九州高等学校(U-17)サッカー大会では大津高(熊本)戦、佐賀商高(佐賀)戦で2試合連続ゴールを叩き出している。決勝トーナメント進出のために勝つしか無い佐賀商戦の2ゴールはいずれも個の力を発揮して決めたモノだった。

 特にセカンドボールを拾ってから一気にドリブルで切れ込んで左足で決めた2点目は本人も納得のスーパーゴール。押し込む展開の中、自分のやりたいプレーを表現し、結果を残した。

 ただし、満足はしていない。「点とか取れているのは良いんですけど、やっぱり大津戦だったり、負けてる時こそ、もっと自分が今日みたいなゴール決めないといけない」。大津戦は得点シーン以外にもドリブルで独走するシーンなどがあった。だが、チャンスを活かせずに先行を許し、1-3で敗戦。チームメートでライバルのFW高岡伶颯主将(2年)が不在の今こそ、自分がチームを勝たせなければならなかった。

 U-17ワールドカップで4得点と躍動した高岡は、高校年代を代表するストライカー。J1の複数クラブが獲得競争している逸材だ。南が活躍した試合でも高岡がより輝いてしまうために霞んでしまうことが多い。だからこそ、高岡以上のプレーをすることを南は求めている。

「もっと上を目指して、もう(高岡)伶颯を超すぐらいまでやっていかないと。やっぱり伶颯と出たらどうしても伶颯が目立ってしまって自分が消えちゃうっていうところがある。そこで、伶颯をもう超すぐらい、 自分が今いない時期に目立って、合流しても自分が一番ぐらいの気持ちでやれるために自信をつけれたら」

 18日まで日本高校選抜の活動に参加していた高岡は、19日から九州大会に出場予定。だが、関東での長期活動直後でベストコンディションではない可能性もある。それだけに、南は高岡の分も輝いてチームを勝たせる意気込みだ。

「伶颯に変わったっていうのを見せるのと、伶颯に頼らないサッカーを今チームでやってるんですけど、もう自分が準々決勝、準決勝、全部勝たせる気持ちでやっていきたいです」。以前はアシストが多かったが、得点数が確実に増加。自信はある。

 まだ高卒でプロ入りして活躍するイメージは湧いていない。ただし、半年前に想像していなかった活躍をしている南が、圧倒的なプレーを続けて半年後にプロ入りを決断する可能性も十分にある。そのための努力を欠かさず、結果を残し続けてブレイクする。

(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー

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