[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.20近畿高校選手権準決勝 東山高 5-1 草津東高 紀三井寺公園陸上競技場]
冷たい雨の中、東山高(京都1)は立ち上がりからエネルギーのあるゲームを見せ、前半だけで4得点。先制ヘッドの左SB沖村大也(2年)や前半2得点のFW吉田航太朗(2年)ら結果を活躍した選手が多かった。
右SH辻綸太郎主将(2年=ヴィッセル神戸U-15出身)は1得点1アシスト。中でも、先制後にやや停滞しかけていた前半19分の2点目は、チームにとって大きかった。東山は左サイドから仕掛け、ファーへ流れたボールを辻がスライディングシュートでゴールへ押し込んだ。
「(井上)慧が良い形でボールを奪ってくれて、自分たちのチームの約束として、逆サイドの選手はPAにどんどん侵入していくっていう部分がありますし、(吉田)航太朗のシュートが上手く当たらなくて、自分のところに良い形で転がってきたんで、決めるだけだったんで。まあ、チームのお陰かなっていう風に思います」
主将は2点目を重視していた。「(準々決勝の)神戸弘陵戦で、先に得点した後に失点してしまって苦しい試合になったんで、1点目取った後の2点目っていうのは、チームとして凄く大事にしている。 そういう意味で、全員の意識が1点取った後に2点目取ろうという形になっていたんで、最終的には自分は決めたんですけど、チームとして取ったゴールかなっていう風に思います」と頷く。
この日指揮を執った中原大亮コーチも「自分的にはあの2点目が大きかった」と評した貴重なゴール。勢いをつけたチームは前半だけでさらに2点を加えると、後半にも1点を追加し、5-1で快勝した。
辻は元々、精度を特長とするボランチのプレーヤー。新チーム発足後から右サイドでプレーしている。準決勝、決勝ではビルドアップに係わりながら、相手の背後へ飛び出す動き。「サイドハーフの選手がどんどんハードワークして、裏に抜け出して相手のライン下げたりっていうのは意識しています」。そして、クロスでチャンスメークし、ゴールも決めている。
1年時に先輩たちが選手権決勝を戦う姿を見た。「それを知ってる僕たちの代が(また、全国決勝へ)。自分は、キャプテンとしてもそうですし、東山の一選手として、自分たちのこだわりであるハードワークだったり、切り替えだったり、球際っていう部分は、やっぱり自分が一番やっていかないといけない」。準決勝を5-1、決勝も6-1で制したが、「まだまだ出せる部分だった。もっともっと自分が東山を引っ張るっていう意識でやっていきたい」と引き締めていた。
その辻は、より成長することを誓う。「自分がチームを引っ張ってるっていうよりかは、自分がチームに助けられてるっていう方が大きい。今後、自分がプレーでも、精神的な部分でも先頭に立って引っ張っていかないとチームは良くなっていかないと思うんで、今はチームに助けられてる部分が多いですけど、これからもっと自分がチームに貢献していきたいと思っています」。もっとチームを引っ張れる主将になって、多くの白星へ導く。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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