[2.27 デンチャレ 東海選抜 0-1 関東選抜B]
第38回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会の本大会が27日に開幕した。前回大会準優勝の東海選抜と、プレーオフから勝ち上がってきた関東選抜BとのグループA第1節は、1-0で関東選抜Bが勝利。関東選抜Bは28日の第2節で関西選抜、東海選抜はU-20全日本選抜とそれぞれ戦う。
前半から関東選抜Bが押し込む展開に。攻守で効果的な動きを見せたMF川上航立(立正大3年=帝京長岡高)のプレースキックをCB池谷銀姿郎(筑波大1年=横浜FCユース)がシュート、ラストパスへ持ち込むなどゴールへ迫る。
関東選抜Bは、カウンターからMF高橋輝(東洋大1年=大宮U18)が左サイドを独走してラストパスを通したほか、MF松永颯汰(流通経済大2年=静岡学園高)がDF1人をかわしてシュートを打ち切るシーンもあった。
特に抜群の推進力を見せていた高橋とキープ力の高い松永が相手の脅威に。だが、東海選抜はCB桒田大誠(中京大3年=暁星国際高/柏内定)やCB前田寛太(中京大3年=履正社高)が相手のラストパスやゴール前のこぼれ球をクリアするなど水際のところで凌ぎ、得点を許さない。
逆に10番MF村田達哉(東海学園大3年=中央学院高) がカットインから右足シュートを打ち込んだほか、左SB深澤壯太(中京大3年=大阪桐蔭高)と右SB武藤寛(中京大2年=市立船橋高)が中央にポジションを取ってビルドアップに係るなど変化も加えながらチャンスを伺った。
東海選抜は後半立ち上がり、MF清水和馬(常葉大2年=静岡学園高)の抜け出しや、MF押富大輝(中京大3年=神戸U-18)のCKからゴールに迫る。だが、関東選抜Bは7分に先制点を奪った。右サイドの高橋がDF2人を剥がしてクロスを上げ、ファーサイドの松永が右足ボレー。こぼれ球をFW中川敦瑛(法政大3年=横浜FCユース)が左足で狙い、跳ね返りを自ら左足でゴールへねじ込んだ。
先制した関東選抜Bは、その後もFW渡邊啓吾(桐蔭横浜大3年=旭川実高)のヘッドやパス交換から抜け出した松永のシュートなど得点機を創出。だが、東海選抜はGK山口畝良(中京大3年=愛知学院大愛知高)が至近距離からのシュートを止めるなど食い下がる。
23分には東海選抜MF村田が左サイドでDFと入れ替わり、PAへパス。これは、豊富な運動量で走り回っていた関東選抜BMF山市秀翔(早稲田大2年=桐光学園高)がクリアする。また、東海選抜は桒田がDFラインから積極的に持ち上がったほか、中盤の選手たちが相手と入れ替わって攻撃を加速させるなど反撃。だが、関東選抜Bは「揉まれても、揉まれて育ったと思うんで、自分は確実に成長してますし、今回の大会で余裕は少し出てきているという自負はあるので、そこは去年の筑波の活動が間違いなく生きてるなと思います」という池谷が、的確なカバーリングなど最終ラインで余裕のある対応を見せる。
U-17日本代表候補歴などを持つ池谷は昨年、1年生ながら主力右SBとして筑波大の関東1部リーグ優勝に貢献。今大会には多くのスカウトが集結しているが、注目DFは「チームのためにやれば、個人の評価も上がると思う。自分のためにとかではなく、チームのために戦って、それが自身のキャリアだったり、良い方に進んでいければいいかなと思います」。熱くなりすぎることなく、冷静に、チームが勝つためにプレーし、結果に結びつけた。
その池谷は積極的に前へ出るCB梅津龍之介(法政大1年=鹿島ユース)とのコンビについて、「お互いのこともピッチ外のところでも分かり合ってる部分はあると思うので、それがピッチで出て良かった」。右SB常藤奏(中央大1年=興國高)、左SB家坂葉光(中央大3年=東京Vユース)、GK西澤翼(桐蔭横浜大3年=磐田U-18)を含めて安定した守備陣を中心に相手をシュート3本に封じた関東選抜Bが初戦を制した。
池谷は「ほんとにタフで、野心を持った選手ばかりが関東Bにいると思うんで、そういう選手たちとともに戦うことで、より大きな力が生まれてくると思うんで、関西、U-20とこの後ありますけど、もっといいサッカー、もっと守れる、勝てるサッカーをしていきたいなと思います。ほんとにいいメンバーが集まったんで、このまま優勝までもちろん持っていきたいと思います」と力を込めた。プレーオフからの“下剋上”を狙う関東Bがより内容を向上させて次戦も勝つ。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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