近年、台頭を続ける飯塚高(福岡)は、今冬の全国高校選手権2回戦で優勝校・青森山田高(青森)とPK戦までもつれ込む激闘。新チームは福岡県高校新人戦で初優勝を果たし、九州高校新人大会(2月)、サニックスカップ(3月)では2チーム分の編成で試合ごとにメンバーを大きく入れ替えながら強豪チームと渡り合っていた。
両大会で選手層の厚さを証明。FW塚本一咲(1年)とFW新垣類(1年)の2トップやU-16日本代表のMF保科剛(1年)ら1年生の台頭が光るが、2年生も実力派が複数いる。中でも、昨年のプリンスリーグ九州1部で先発を務めていたMF吉田翔亮(2年=FCグローバル)は、中辻喜敬監督が「ポテンシャルが違う。市船の選手を完全に振り切っていた」と期待する存在だ。
飯塚はサニックスカップ初戦で選手権3位の市立船橋高(千葉)と対戦。吉田は前半14分、右サイドへ一気に抜け出し、ラストパスを狙う。これはカットされたが、こぼれ球に反応。豪快に左足を振り抜き、ゴールへ突き刺した。
九州大会はケガを抱えながらのプレーで、サニックスカップも復帰直後で出場時間を制限されていた。それでも、吉田は「スピードが自分、ある方だと思うので、球際のところだったりは行けていると思う。体力的にも自信があるんで、走りき切れるのと、強度も自信がある」。スピード、体力、強度にも自信。飯塚進学後に守備力も向上し、プレスへ行って、止まって、またプレスに行くような繰り返す動きも身につけている。
現在では、より守備面を得意とするボランチに。加えて、新人戦はFWとして出場したように、得点力の高さも魅力だ。「守備の方が行きますね。攻撃でも点は取れる自信がある」。その吉田はコンディションを高め、プレミアリーグ昇格などに貢献する意気込みだ。
「プリンスも全部勝ち切って、まずは昇格を目標にしてやっていきたいです」。将来の目標はプロ。例え、高卒で行くことができなくても、「大学でもサッカーをしたいと思ってるんで、強いところに行けたら。そこからまたプロの道もあると思うんで、それをまず目標にしていきたい」。期待の俊足ボランチは、厚い選手層の中で競争しながら成長し、突き抜けた存在になること。そして、プリンスリーグ九州1部などの公式戦で活躍し、評価を勝ち取る。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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