[9.10 関東ROOKIE LEAGUEプレーオフ1回戦 鹿島学園高 3-2 駒澤大高 時之栖うさぎ島G]
U-16の全国大会、「MIZUNO CHAMPIONSHIP」(12月)の関東第3代表を懸けたプレーオフ1回戦が10日に行われ、「関東ROOKIE LEAGUE」Bリーグ優勝の鹿島学園高(茨城)と同Cリーグ優勝の駒澤大高(東京)が激突。鹿島学園が3-2で勝ち、Aリーグ3位・西武台高(埼玉)とのプレーオフ2回戦へ進出した。
鹿島学園がU-16全国大会出場へあと1勝とした。「関東ROOKIE LEAGUE」の「MIZUNO CHAMPIONSHIP」出場枠は今年から1増して「3」。すでにAリーグ優勝の山梨学院高(山梨)と同2位の日大藤沢高(神奈川)が出場権を獲得している。鹿島学園と駒大高は、いずれも前日にリーグ優勝を決め、この日のプレーオフ1回戦に臨んだ。
先手を取ったのは鹿島学園だった。試合開始直後、PAへ潜り込んだMF松本金太朗がPKを獲得。BリーグMVPのMFは、このPKを右足で決め、リードをもたらした。鹿島学園は前半、的確なポジショニングとパス。CB齊藤空人やCB中川光星ら最終ラインから積極的に中盤の選手へ縦パスをつけ、サイドにできたスペースを逃さずに突くなど質の高い攻撃を繰り出した。
そして、左SHの松本がDFを剥がしてラストパス。12分にはMF菊池元希が右中間を抜け出し、シュートを放つ。だが、駒大高GK松坂成悟が好反応で阻止。鹿島学園は、前日にトップチームのプリンスリーグ関東1部(対桐生一高戦)出場後に静岡入りしたMF西川朔陽がトップ下でボールを引き出す。そして、サイドへはたき、コンビネーションからシュートも放っていた。
対する駒大高はCリーグで16得点、6アシストを記録し、得点王、アシスト王、MVPの個人3冠を獲得しているFW岩井優太が攻撃の柱。ボールを後方から繋いで前進し、岩井のポストプレーやFW森田敬太のドリブルなどからゴールを目指す。幾度かボールを奪われてショートカウンターを食らうシーンもあったが、CB大草竣とCB鴻野誠賢が食い止めるなど2点目を許さない。
駒大高は後半開始直後、FW倉石雄太の縦突破から岩井が狙うも鹿島学園DFがブロック。逆に鹿島学園は7分、左サイドでボールを持った松本が中への動きからスイッチし、縦へ抜け出した左SB加藤世梛が左足クロスを上げる。これをファーサイドの菊池が頭で決めて2-0とした。
だが、駒大高は諦めない。10分、司令塔・MF大城あさひの左CKを大草が頭で合わせて1点差。さらに11分、右サイドから攻めると、交代出場のMF木川大輝が左足シュートを沈めて同点に追いつく。引き分けの場合は上位リーグの鹿島学園が次ステージへ勝ち上がるレギュレーション。駒大高は逆転を目指し、長短のパスで相手を押し込んだ。
鹿島学園は運動量の減った後半に苦戦。だが、追いつかれた直後に前日のプリンスリーグ関東1部で先発出場している左SB清水朔玖(Bリーグアシスト王)を投入し、相手のサイド攻撃に蓋をする。また、CB齊藤が好守を連発。オープンな展開で攻め合う中、次の1点を奪ったのは鹿島学園の方だった。
後半44分、鹿島学園は「自分の足下にこぼれて、逆(サイド)に仲間がいるのが見えた」という松本が、ルーズボールを拾って左のスペースへ展開。ここに交代出場のMF高瀬瑛司が走り込み、左足で決勝点を叩き出した。歓喜の鹿島学園イレブン。攻守両面で奮闘した西川は「最後、自分たちの形で1点決めて勝てたので良かった」と微笑んだ。
また、交代出場で勝利に貢献した清水は、「(2-2の状況で)絶対に点をやらない気持ちでした。右サイドにボールが入った時はマジで何もさせなかったと思います。これで勢いに乗って、西武台戦も勝ちたい」と語り、全3得点に絡んだ松本も「(目標は)全国大会の出場をまず決めて、そこでもしっかり良い結果を残すことです」と力を込めた。プレーオフ2回戦は1か月以内に開催予定。鹿島学園は西武台にも勝って、初のU-16全国大会出場を決める。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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