コンバートされたばかりの小柄な右サイドバック(SB)が、声と背中で名門校を引っ張っている。プレミアリーグEAST開幕(4月6日)への準備を進める市立船橋高(千葉)は29日、第29回船橋招待U-18サッカー大会初日の第2試合で東京Vユース戦と対戦。0-1で敗れたが、右SB金子竜也(新3年=JFAアカデミー福島U-15 WEST出身)が存在感のある動きを見せた。
金子は昨年のプレミアリーグEAST開幕当初、サイドハーフ(SH)として先発。そのポジションを主戦場としてきたが、今月のサニックス杯(福岡)から右SBに定着している。同大会ではキャプテンマークも巻き、けが人やU-17日本高校選抜組が不在の市立船橋を牽引。チームトップの3得点をマークしたMF山本一誓(新2年)らと4位に貢献した。その運動量は、中盤の要であるMF峯野倖(新3年)やMF桑原理統ナーテ(新3年)とともにチームトップクラスだ。この日も右サイドで運動量を増やし、決定機を演出。その金子が24年シーズンへの意気込みなどを語った。
―右サイドでスプリントを繰り返していたが、東京Vユース戦を振り返って。
「自分の運動量とか、上がっていくこととかはできていたと思うんですけど、ドリブルで仕掛けて、クロスとかシュートとかが少なかったんで、そこは課題かなと思いました」
―自分のところでチャンスができている感覚はあったと思うけれど。
「あったんですけど、結果に繋がってなかったので、そこが悔しかったです」
―スプリント力をどんどん出していく考え。
「疲れが出た時にちょっとタイミングが遅れたりとかがあったので、疲れててもタイミングよく上がれるようにしないとな、と思います」
―声も含めてチームを引っ張っている。
「声は意識して出してます」
―仲が良いというチームの中で厳しさをどれだけ出せるか。
「仲の良さはだいぶあるんですけど、厳しく言えるっていうのがみんな少ないので、そこはみんなで出してこう、基準を上げていこうっていう声はみんなで出しています」
―自分では、どうチームに貢献したいと考えている?
「声と運動量とクロスだったり、縦突破だったり、攻撃の面で運動量を活かしながら、攻撃とか守備もチームのためになるようなプレーを増やしていければ」
―自信あるのは、攻撃面。
「はい、そうです。攻撃の方が得意です。去年はサイドハーフで出ていました」
―去年、プレミアリーグなどを経験して感じたことは?
「去年は人任せのプレーとか、3年生に頼ってるプレーが多かったので、自分としては走ってるだけみたいなのが多かったんですけど、今年は個人でちょっと頑張って打開してみるとか、ちょっと頭を頑張って使いながらプレーするっていうのは意識しています」
―サイドバックはいつから?
「(3月の)サニックス(カップ)です。でも、去年は試合とかサイドバックで出てたわけじゃないですけど、トレーニングでやっていて、基本はサイドハーフっていう感じでやってたんですけど、サニックスで(本格的に)サイドバックに」
―サイドバックとしての自分はどうかな?
「サイドバックの方が運動量とかの部分では活かせるので、そこはサイドバックの方が武器は活かせるかなと。サイドとか、背後に抜けるところとかは走れてると思うんですけど、疲れてきた時のもう一踏ん張りをもうちょっとやらないといけない」
―今後、どのようなサイドバックになりたい?
「自分にしかできないところとか、運動量とかは負けたくないですし、攻撃でも守備でも安定っていうか、信頼されるサイドバックになりたいなと思っています」
―(前主将の)太田(隼剛)君が最後ロッカールームで「自分たちの基準じゃまだまだだ」っていう話をしていた。その言葉を受けてどう感じたか教えて下さい。
「去年に比べて、個人としてのレベルが低いと言われています。その中でも、まだ全然基準が低いっていうのが、みんなの中でも、スタッフからも言われてて、それはまだまだ上げていかないといけないし、その基準を上げる声や強度とかも、ほんとチーム全体でやっていかないと、日本一にはなれないかなと思います」
―東京Vユース戦後、長時間みんなで話していたけれど、どのような話を。
「攻撃、守備、守備から攻撃、攻撃から守備の4局面の課題を確認し合って、雰囲気が悪い時に声がないっていう話になって、 悩んだ時とかに声を出すとか、盛り上げる声とかを出していこうと」
―4局面ではどこが課題に。
「奪い返しが疲れてきた時に行けていなかったので、そこをしっかりディフェンスラインからアップしていこうっていう話になりました」
―今シーズンはどのような1年にしたい?
「個人としては、去年開幕4試合出てからプレミアのスタメンで出れてなかったので。今シーズンは1シーズン通してスタメンで出続けたいなっていうのと、チームとしては選手権、インターハイで全国優勝できるようにやっていきたいなって思ってます」
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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