[3.31 船橋招待U-18大会 東京Vユース 1-2 静岡学園高 グラスポ]
第29回船橋招待U-18サッカー大会最終日の31日、東京ヴェルディユースと静岡学園高(静岡)が対戦し、静岡学園が2-1で勝った。
前日までの4試合終了時点で東京Vユースは、4連勝の首位。一方の静岡学園は3勝1分で2位だった。首位攻防戦は、静岡学園が勝利。同校の川口修監督が「ヴェルディと最後ここでやれて、良かった」と振り返るように、非常に強度が高く、個々の技術力にも秀でた相手との戦いはプレミアリーグWEST初戦(4月7日、対東福岡高)へ向け、とても貴重な一戦になったようだ。
試合は静岡学園が先制した。前半5分、MF池田双葉(新3年)が縦への仕掛けからクロス。このこぼれ球をMF堀川隼(新3年)が正確な右足シュートでファーサイドのネットへ沈めた。その後は、東京Vユースが主導権。CB坂巻悠月主将(新3年)が落ち着いた守備を継続し、CB川口和也(新3年)ら最終ラインからボールを繋いで前進する。
11分にはスルーパスでFW仲山獅恩(新2年)が抜け出し、18分にもトップチーム昇格のMF川村楽人(新3年)がカットインから右足を振り抜く。そして、19分にはMF今井健人(新2年)の右足シュートが左隅を捉えたが、静岡学園GK有竹拓海(新2年)が横っ飛びではじき出した。
静岡学園はこの日、広範囲のカバーリングを見せていた186cmCB矢澤玲士(新3年)が川村の突破を阻止するシーンも。また、守備能力の高い堀川と汗かき役を全うするMF金野類(新3年)のダブルボランチが中盤の攻防で健闘していた。そして、MF乾晧洋(新3年)らがボールを運ぶ力を見せて攻め返す。22分、静岡学園は右サイドから強引にPAへ潜り込んだSB山内星之介(新3年)がPKを獲得。これを自ら右足で決めて2-0と突き放した。
東京Vユースは後半立ち上がりに決定機を創出。相手を押し込み、右SB小林健(新3年)もラストのシーンに係るが、今大会で4バックと3バックを併用してきた静岡学園も粘り強い守りで譲らない。後半13分、東京VユースはFW半場朔人(新3年)がドリブルで一気に前進。最後はこぼれ球を拾って抜け出した仲山がPKを獲得する。これを川村が右足で決めて1点差。一気に同点を目指すが、守備への切り替えの速い静岡学園は相手が攻め切る前にその勢いを止めていた。
静岡学園はセットプレーやクロスから追加点のチャンスを作ったが、それを活かすことができない。だが、次々とドリブルシュートを打ち込んでくる川村と半場を中心とした相手の反撃を許さず、2-1で勝利した。
静岡学園は伝統のテクニック、インテリジェンスの強化に加え、プレミアリーグ開幕へ向けて強度の向上にこだわってきたという。2月のミズノカップでは強度不足で全敗。特に1対1の攻防に重点を置いて課題改善に取り組んできた。この日は東京Vユースの上手さと際の強さに苦しんだものの、“プレミア基準”で求めてきた取り組みの成果も発揮しての勝利。矢澤は「今年入ってから、(監督の川口)修さんにずっと球際のところを言われていた。球際が弱いと。(特にミズノカップ後に)みんなの意識がどんどん上がっていって、試合をやるごとに強度も上がって。それがやっと結果についてきたんかなと思っています」と頷く。
また、堀川が「相手もレベル高かったですし、その中で自分たちのプレーを出すのは難しかったですけど、みんなで声を掛け合って頑張れた」と語ったように、前向きな勝利だ。今大会は、ともに怪我の注目右SB野田裕人主将(新3年)とU-16日本代表MF山縣優翔(新2年)、静岡県選抜の海外遠征中のMF天野太陽(新3年)とCB岩田琉唯(新3年)が不在。だが、無敗を続け、最終戦の市立船橋高(千葉)戦もMF四海星南(新2年)のファインゴールで追いつき、1-1の引き分けに持ち込んだ。
4勝2分で大会を終了。だが、東京Vユース戦のハーフタイムには川口監督からポジショニングの面を厳しく指摘されるなど、まだまだやるべきことはある。昨年のプレミアリーグは前期を首位ターンも、けが人が続出した後半戦で失速。選手層の薄さが出てしまい、全国大会も上位へ勝ち上がれなかった。それだけに、矢澤は「練習後の体幹だったり、食トレをみんなで重点的に置いて。怪我しない体作りと、去年の先輩方が見れなかった選手権の国立っていうのを目標に全員でやっていきたいと思っています」。プレミアリーグや全国大会で活躍するために日常からレベルアップを続けて個人、チームの目標達成へ近づく。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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