[関東]早慶戦は“GK先制ゴール”の慶應大が4発勝利!! 兵藤・中町対決も「主役は学生。マリノスダービーは裏テーマ」

兵藤慎剛監督(左)と中町公祐監督
[4.28 関東大学L2部第3節 早稲田大 1-4 慶應義塾大]

 関東大学リーグ2部は28日、各地で第3節を開催した。慶應義塾大は敵地で早稲田大に4-1の快勝を収めた。早慶戦と称される大学サッカー屈指のライバル対決だが、リーグ戦では3年ぶりの顔合わせ。この間に定期戦は2試合行われていたがいずれも早大が勝利しており、慶大が早慶戦を制するのも3年ぶりとなった。

 また、兵藤慎剛監督(早大)と中町公祐監督(慶大)の同級生横浜F・マリノス対決にも注目が集まった。ただ中町監督は「主役は学生。マリノスダービーは裏テーマ」と表現し、兵藤監督も「監督同士が試合前にめちゃくちゃ喋るのもあまり良くないかな」と語る。試合後の挨拶でも軽く挨拶を交わす程度で、両指揮官は揃って相手監督への強い意識は示さずに伝統の一戦を戦っていた。

 試合は思わぬ形でスコアが動く。前半5分、慶大のGK村上健(4年=國學院久我山高)が自陣側センターサークル内でビルドアップに参加すると、相手GKの位置を見て左足で力強くボールを蹴り込む。これが見事にゴールネットに吸い込まれ、守護神のゴールで慶大が先制した。

 痛恨の失点を喫した早大はボールを持つ時間帯が続くが、なかなかシュートまで持ち込むことができない。すると前半32分、慶大がカウンターを仕掛ける。中央でボールを受けたFW塩貝健人(2年=國學院久我山高/27年横浜FM内定)は力強く前進し、ペナルティーエリア内に侵入する。相手を引きつけるとフリーになったMF角田惠風(3年=横浜FMユース)にお膳立て。角田はループシュートで追加点を決めた。

 早大は2点を追う後半からギアを上げる。後半10分、MF山市秀翔(3年=桐光学園高)がPA内で浮き球を収めてシュート。同13分にはFW駒沢直哉(4年=金沢U-18)がゴール左隅を狙うシュートを放ったが、いずれも村上のスーパーセーブに防がれた。

 ピンチを凌いだ慶大は後半14分、再びカウンターで追加点を決める。塩貝が相手CKのこぼれを拾って右サイドを駆け上がると、絶妙なタイミングでスルーパス。これに反応したMF茅野優希(4年=慶應義塾高)が冷静にゴールネットを揺らし、大きな3点目をもたらした。さらに同34分には塩貝が相手のミスを突いたロングシュートを決めて4点差とし、勝利を決定的なものにした。

 一矢報いたい早大は後半だけでも10本のシュートを放ったが、慶大の固い守備に苦しむ。後半アディショナルタイムに駒沢のゴールで1点を返すも反撃はここまで。今季最初の早慶戦は慶大に軍配が上がった。また、慶大は開幕3戦を2勝1分とした一方、早大は1分2敗と対称的なスタートになっている。

 中町監督は初の早慶戦での指揮となったが、「気負いすぎず」臨んだという。それでも選手や会場に多く足を運んだOB・OGの熱い思いを汲み取り、「今日は良かった」と笑顔を見せた。

 一方、敗れた兵藤監督は「早慶戦で気合いが入らない学生は誰もいない。単体だけで見るとちゃんと戦っている」と振り返りながら、「どれだけチームのために体を張れたか、チームがやろうとしていることに対してのエネルギーの出し方としては向こうの方が表現できていた」と語り、今季のリーグ戦で勝利がないなかで局面での戦いぶりやチームとしての物足りなさを悔やんだ。

 両監督はお互いに関してほとんど口にしなかったものの、兵藤監督は「慶應大はサッカーのスタイルが変わってボールをしっかり繋ぐなかで、やるべきことを全員がしっかり理解して徹底できていた」と称える。中町監督も「早慶、我々が大学サッカーをリードするという大枠の思いもやっぱりある。彼にも頑張ってほしい」とエールを送りながら、次戦に目を向けた。

 次回の早慶戦は8月25日の第75回定期戦で、11年ぶりに国立競技場で開催される。

(取材・文 加藤直岐)


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Source: 大学高校サッカー

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