[関西U-16 ~Groeien~]苦闘も声を出し合い、気持ちを高め合って劇的な逆転勝ち。東山が3年連続の全国へ白星発進

後半45+3分、交代出場FW多賀信政の決勝点を東山高の選手たちが喜ぶ
[4.28 関西 U-16 ~Groeien~G1第1節 東山高 2-1 東海大大阪仰星高 ダイセル播磨光都第3G]

 関西地域のU-16の年代において、長期にわたるリーグ戦を通して選手の育成および指導者のレベルアップを図ることを目指す「関西U-16 ~Groeien~2024」のG1リーグが28日に開幕した。東山高(京都)対東海大大阪仰星高(大阪)戦は東山が交代出場FW多賀信政の2ゴールによって2-1で逆転勝ち。3大会連続のミズノチャンピオンシップU-16 ルーキーリーグ(U-16全国大会、12月)出場へ好発進している。

 東山が後半ラストプレーの決勝点によって、劇的勝利を飾った。1-1の後半45+3分、東山は左サイドでの攻防からボールを持った多賀が、40~50m先のゴールへ向けて左足で超ロングシュート。ボールは前目のポジション取りをしていたGKの頭上を越え、そのままゴールへ吸い込まれた。

 東山の選手たちは大興奮。チームを引っ張る右SB大野琥翔は、「最初厳しい展開で、自分たちの流れが作れない状況で、みんなで声を出し合って、後半からもう一回、一からやり直して、自分たちも気持ち上げて、最後勝利という形で収められたので、本当に良かったです」と微笑んだ。

右サイドで運動量を増やした東山右SB大野琥翔

 東海大仰星は前半17分、FW前羽憲信がPAでGKに倒されてPKを獲得。東山はGK洗井智貴がPKを足でストップするが、前半43分に東海大仰星FW岡本唯佐が先制ゴール。優位に試合を進める東海大仰星は後半もMF岡本航平の仕掛けやMF伊藤隆之介のクロスバーを叩いた右足ミドル、右SB藤川智也と左SB木武優希の攻撃参加、クロスなどで追加点を狙う。

東山GK洗井智貴はPKストップのほか、守備範囲広く戦った

 だが、東山は後半10分に投入された多賀が攻撃を活性化。前線でボールを収め続けるFW中西優太やFWから右サイドへ回り、推進力を見せるFW岡本明己、司令塔のMF片岡亮太朗とともに攻撃力を発揮する。迎えた18分、東山は岡本の右クロスをニアの多賀が頭で合わせて同点。だが、東海大仰星は落ちない。中盤で存在感を放つ伊藤がセカンドボールを幾度も回収していたほか、福田健心と塩山楽の両CBを中心としたDF陣も守備力を発揮して攻撃に結びつける。
 
 だが、東山も183cmCB角野歩輝や左SB、CBでプレーした原達輝が高い強度の守備。また、「少しでもチームに貢献できるように、 自分がゴール決めれたら1番良いですけど、少しでも役に立てるように。そう思って走っていました」という右SB大野らが勝利を目指して走り続ける。

 相手の勢いのある攻撃を凌ぎ、試合終了間際に決勝点。大野は「開幕戦、みんなで『勝とう』ってなって、やっぱり開幕戦勝つと、その後もみんな流れ良くなると思うんで、最初は勝利を収められて良かったです」と頷いた。

 目標を達成するためには日常が大事になることを理解している。「東山としては2年連続で全国に出てるので、僕たちもそういう強豪校としてのプライドだったり、意識の高さがこれから必要になってくると思うので、もっとそこをチーム全体として高めいければいいかなと思います」(大野)。全員で勝ち取った白星だが、まだまだこれから。意識高く、レベルアップを目指す。

東山の前線でボールを収め続けたFW中西優太

(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー

コメント

タイトルとURLをコピーしました