[関東]桜道の名前は人気漫画から…流通経済大期待の1年生DF塩川桜道が早くも公式戦3試合連続フル出場

流通経済大の1年生DF塩川桜道
 ほろ苦い大学サッカーデビューになっている。流通経済大の1年生DF塩川桜道(流通経済大柏高)は、4月21日の天皇杯茨城県予選の準決勝・筑波大戦(●1-3)で大学公式戦デビューを先発で飾ると、同27日の関東大学リーグ・明治大戦(●0-3)にも先発出場。5月4日の東海大戦(△1-1)と公式戦3試合連続でフル出場を果たしているが、勝利を味わうことはまだできていない。

 いきなり大学トップレベルのサッカーを体感することにもなっているが、それは塩川自身も実感するところ。「大学に入ったら一段階(レベルが)上がると言われていたけど、まさに感じました。筑波では上手さ、明治では強度やスピードを思い知らされました」。しかしこれは通らなければいけない道だと理解して前に進む。

 “流経4年目”になる。埼玉県飯能市出身で、中学時代は浦和レッズジュニアユースに所属。ただユースに上がれなかったことで、流経大柏高に進学してきた経緯がある。そして高校でメキメキ頭角を現すと、23年11月にはU-18日本代表に初選出。今年1月の全国高校選手権には出場できなかったが、日本高校選抜には選ばれ、欧州遠征を経験した。

 高校選抜の欧州遠征ではすべての試合に出場。ファウルの基準やプレースピード、強度の違いを肌で感じることができたという。「自分も流経大で出れているのはヨーロッパで頑張ったというのがあると思う。ヨーロッパで学んだことをこっちでもっと出していかないといけない」。

 そして271人が切磋琢磨する流経大のハイレベルな環境にも大いに刺激を受けている。中でもプロ注目のCB根本健太(4年=東京学館高)は「お手本にしなければいけない」と感じている。「根本くんは自分の憧れ。身近に圧倒的なディフェンス力を持った選手がいるのは有難いこと。もっとお手本にしないといけないけど、ライバルだと思って頑張りたいです」。

 名前は桜道と書いて「ハルミチ」と読む。漢字だと有名バスケ漫画の主人公を連想する名前だが、ヤンキー漫画の『クローズ』シリーズの登場人物のひとり、坊屋春道(ぼうや・はるみち)から取られた名前だという。4月生まれということもあって、桜の文字があてられたようだ。「ハルミチはお父さんが好きな漫画のキャラクターの名前。ヤンキー漫画なので、お母さんは違うと言っていますけど(笑)、ヒデトラもいるのでクローズなのかなと思っています」。現在、正智深谷高に通う弟・秀虎の存在で確証を持っている。

 大学で力をつけて、当然目指すはプロサッカー選手だ。「(Jクラブから)早めに声をかけてもらえるのは嬉しいですけど、大学4年間でどれだけ成長できるかを試したいし、自分が納得いったときにプロに行きたい。大学には(田口)空我さんとか高校時代に憧れた先輩がいて、自分もあんな選手になれるかなと思っていたけど、今は一緒にプレーできている。今度はその人たちを引っ張って行けるくらい頑張っていきたい」。一番自信を持つヘディング、そして高校で一番レベルアップしたと胸を張るビルドアップ能力にさらに磨きをかけることで、まずは大学サッカー界で欠かすことのできないCBになることを目指す。

(取材・文 児玉幸洋)


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Source: 大学高校サッカー

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