[プリンスリーグ関西2部]「勝負に絶対勝つ」「マッチアップでも絶対に負けない」。C大阪U-18が後半2発で勝ち切り、4連勝

後半7分、セレッソ大阪U-18FW小野田亮汰(左)が先制ゴール。アシストのMF西川宙希主将と喜ぶ
[5.6 プリンスリーグ関西2部第5節 C大阪U-18 2-0 近江高B J-GREEN堺S4]

 C大阪U-18は勝ちながら、強くなる。6日、高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 関西2部でセレッソ大阪U-18(大阪)と近江高B(滋賀)が対戦。C大阪U-18が2-0で勝ち、4連勝とした。

 金晃正監督は、「選手たちには、常に1試合1試合全力で、本当に勝ちしか考えずに頑張ってやっていこうって話は常々やっています」という。C大阪U-18は、2011年の発足時から戦ってきたプレミアリーグWESTで2022年に10位、プレーオフの敗退で初降格。昨年もプリンスリーグ関西1部で8位に終わり、今年はプリンスリーグ関西2部が主戦場となっている。

 だが、このステージを全力で戦い、必ず昇格させることは選手たちの使命。チームリーダーのMF西川宙希(3年)は、「勝ち続けるっていうのはほんと大切だと思います。試合通してもそうなんですけど、目の前の1個1個、相手とのマッチアップでも絶対負けない、勝負に絶対勝つっていう気持ちでやっています」と説明した。この日は相手にリトリートされ、難しい戦いに。それでも、90分間こだわって戦い、勝ち点3を勝ち取った。

C大阪U-18の左SB藤井龍也は前半から、積極的な攻め上がり

 C大阪U-18は前半からボールを支配。注目の10番MF木實快斗(3年)のゲームメークやFW小野田亮汰(2年)の力強いボールキープから、左SH西川、左SB藤井龍也(3年)のクロスが上がり、右SB刈田琉唯(2年)の強烈なシュートが相手ゴールを脅かす。

 また、初先発のMF佐野泰生(3年)が奪い返しの部分で貢献度大の働き。切り替え速く、強度の高い守備で相手の前進を阻止する。そして、精度の高いキックを見せるCB伏見晄永(2年)、CB海保颯大(1年)の両DFからのフィードも交えた攻撃。チームトップ4得点のFW中山聡人(3年)や突破でも違いを示す木實、活動量の多いMF首藤希(3年)が相手にプレッシャーをかけた。

C大阪U-18の1年生CB海保颯大が出足良くインターセプト

 昨年からプリンスリーグ関西2部で戦う近江Bは、3バックの中央でDF神崎祐誠(3年)が奮闘。スライディングでのクリアなど、強い責任感でゴールを守っていた。また、DF竹村謙吾(2年)やDF中川翔介(2年)を含めて集中した守りを継続。コンビネーションで前進する回数は増やせなかったものの、前半を0-0で凌ぎ切った。

近江Bは最終ラインの中央でDF神崎祐誠が奮闘

 だが、金監督が「勝ちへのこだわりっていうのは練習の中からも凄く表現できるようになってきている」というC大阪U-18は後半、ゴール前で噛み合わなかった部分を改善。相手を突き放す。

 7分、左サイドでDFと入れ替わった西川が一気にPA方向へドリブルし、左足でラストパスを入れる。これを小野田が1タッチでゴールへ蹴り込んで先制。C大阪U-18は、その後も小野田や木實がサイドを破り、決定的なラストパスを通した。

後半7分、FW小野田亮汰が先制ゴールを決めた

 また、C大阪U-18は佐野がスライディングでのインターセプトから股抜きドリブル、クロスにチャレンジしたり、伏見が攻め上がりからミドルシュートを狙うなど積極的なプレーを続ける。

 近江Bも、後半は10番MF瀧田海雅(3年)が中盤でボールを引き出す回数を増加。前半に比べてボールを保持する時間を伸ばし、相手を押し返して攻めるシーンもあった。37分には右CKをファーの神崎が頭で折り返し、交代出場のMF丸木康誠(2年)が飛び込む。だがGKイシボウ拳(2年)が守るC大阪U-18ゴールをこじ開けることはできない。

近江Bの10番MF瀧田海雅は後半にボールに係わる回数を増加

 逆にC大阪U-18は43分、小野田のスルーパスで交代出場MF増田瑛心(2年)が抜け出し、左足で2点目のゴール。近江BはGK安井星太(3年)が相手FW塩尻哲平(1年)のシュートを阻止するなど最後まで切れずに戦ったものの、2試合ぶりの白星とはならなかった。

後半43分、交代出場のMF増田瑛心が左足シュートを決め、2-0

 プレミアリーグから2つ下のカテゴリーでの戦い。磨き上げてきた技術力など個々の力のあるC大阪U-18は、対戦相手からリスペクトされ、守りを固められる試合も多くなっている。だが、その中でゴールをこじ開け、白星を勝ち取ることで強さを身に着けていく考えだ。

 一方で、4連勝中も全て2点差以内と、内容で対戦相手を圧倒しながら、結果で圧倒することができていないことも確か。金監督は「今日みたいなゲームなんだったら、ほんとに惜しいっていうシュートで終わるんじゃなくて。ほんとに決めていかないと、(よりレベルの高い相手との戦いで)苦しくなってしまう。1個、2個のチャンスで、勝負を決めれるようになっていかないといけないなっていうのは考えています」。チームはこの後、中断期間にクラブユース選手権予選をスタート。“関西2部からの日本一”にチャレンジする。

 西川は「3年生はみんなそこに懸けているかなっていうのは思いますし、そこで絶対勝たないとダメだし、日本一目指して全員で日々の練習から取り組もうという風に思っています」と力を込めた。練習から目の前の勝負にこだわり、厳しい試合も勝ち続けてC大阪U-18は成長を遂げる。

(取材・文 吉田太郎)


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Source: 大学高校サッカー

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