[5.26 天皇杯1回戦 筑波大1-0明治大 Ksスタ]
明治大は奇しくも大学生対決となった一回戦で敗れて敗退、Jクラブへの挑戦を前に大会を去ることになった。「自分たちのサッカーができなかったことが一番悔しい」。主将としてももう少し何かできることがあったのではないか。MF中村草太(4年=前橋育英高/広島内定)は自問自答を繰り返した。
「個人としてと言うより、チームとして矢印が揃っていなかった印象があった。直近のリーグ戦でうまく行く時間帯が多かった中で、悪い時間帯にチームとして、個人として、キャプテンとして何ができるかに目を向けたときに課題が出た。そこが敗因かなと思います」
プロ内定を発表して臨んだ初めての試合でもあった。昨年度の関東大学サッカーリーグ1部で、中村は史上初となる得点王とアシスト王をW受賞。年末の大学選手権(インカレ)でも準決勝、決勝と連続ゴールを記録し、MVPを獲得する活躍をみせた。当然、複数のクラブが関心を寄せた中村の進路は、今季の大学サッカー最大の関心事となった。
広島には今年1月、宮崎で行ったキャンプに参加した。「いくつか(のクラブに)練習参加させていただいた中で、一番は雰囲気、練習以外の雰囲気も、自分がスッと入れた気がした。サッカーも前からプレスに行ってというスタイルが明治とあまり変わらなかった。あとは純粋にここで成長したい、サッカーがしたいと思えたことが決め手になりました」。
キャンプでは大分との練習試合で得点を決めるなど、結果も出た。即決はしなかったが、当時から心はほぼ固まっていたようだ。「(いろいろと)オファーが来て悩んだというより、練習参加のタイミングで感じるものがあった。そこから自分の気持ちもあまり変わらなかったことも事実としてあります」。
今季の明治大ではMF藤森颯太(3年=青森山田高)との“Wソウタ”で得点を量産する中村だが、広島にも漢字も一緒のMF越道草太がいる。「向こうはコッシーと呼ばれていて、自分はなんて呼ばれるか分からないけど、そういった面でもいい意味で注目してもらいたい。年齢は後輩ですけど、サンフレッチェでは先輩なのでいろいろと教えてもらいたい」。草太タッグも楽しみにしている。
ただまずは大学生としての最後の1年に集中したいと強調する。「栗田さん(監督)の言葉ではないですが、浮つかず、色気を出さず、学生らしく実直に1年間をやり続けたいと思います」。縁やゆかりどころか、これまで一度も行ったことがないという広島県に自信を持って乗り込むためにも、更なる成長を求めていく。
(取材・文 児玉幸洋)
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Source: 大学高校サッカー
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