[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.27 関東高校大会Bグループ決勝 成徳深谷高 0-3 横浜創英高 ゼットエー]
横浜創英高(神奈川2)は、関東高校大会Bグループ決勝でいずれも本来ボランチのMF尾毛駿介(3年=シュートジュニアユースFC出身)とMF山野真生(2年)をセンターバック(CB)として起用した。
宮澤崇史監督はその理由について、「全体にビルドアップの意識をつけるために、ちょっと器用なボランチの子を出して、昨日(準決勝)の後半からそれをやってみて、昨日良かったので、今日はそのまま引き続き起用しました」と説明する。3連戦の3試合目。今後も意識した一戦でチームは3-0の勝利を収めた。
中でも尾毛は、指揮官が「ビルドアップのスタートのところで、あの子がだいぶ配球を安定してやってくれたんで、そう乱れなかったっていうのはあると思います。落ち着けていました」と評価。“横浜創英らしく”ボールを保持しながらゲームを進めることに貢献した。
尾毛は丁寧にボールを動かしながら、ボランチへつけるパスや奥の選手へのロングパスも。「自分たちがボール持ってる時間が多かったんですけど、そういうところで遠く見ながら近くつけたり、真ん中に上手い(小川)秀太と(岡澤)訊がいるんで、そこの2人に上手くいい形で預けられればと思ってやっていました」。プレースキッカーも務める尾毛は、CBのポジションでも自分の武器を表現していた。
その尾毛は、今大会初の無失点というノルマも達成する。「今日、守備陣は絶対もう無失点ということを意識してCBやって。久々のCBだったんですけど、自分がリーダーシップを取って、しっかりDFライン4人でゼロに抑えられたと思います」。成徳深谷高(埼玉2)はダイナミックな攻撃が特長。前線へ素早くロングボールを入れてきたほか、セットプレーも脅威のチームだが、174cmのCBは味方と連係して守り抜いた。
横浜創英は技術力の高い選手が揃う。ただし、尾毛は「このチームで(自分)はそんな上手い選手じゃない」と自己分析する。だからこそ、「他の戦うところだったり、リーダーシップとのところだったり、声出して盛り上げるところだったっていうのは、これからもやっていきたいと思います」と力を込める。
そして、「今後はもっとチームの中心の選手になりたい。攻撃にも参加したり、守備ももっとどん欲になったりとか。攻守において必要とされる選手になっていきたい」と宣言。インターハイ予選でもこの日のようにチームにプラスアルファをもたらし、白星を重ねる。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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