[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.1 インターハイ島根県予選決勝 大社高 0-1 立正大淞南高 島根県立サッカー場]
スコアレスで迎えた後半11分(35分ハーフ)、左サイドから攻め込んだ立正大淞南高はエリア内でFW山田涼斗(3年)がシュートを放つも、大社DF栗原貫志(2年)にブロックされた。
だが、「南先生(南健司総監督)や野尻先生(野尻豪監督)に、常にこぼれ球を狙っておけと言われている」というFW郷原巧実(3年)が、こぼれ球にいち早く反応。「思い切って打った」と語るシュートがネットを揺らすと、応援団が陣取るバックスタンドまで走り、大ジャンプとガッツポーズで喜びを爆発させた。
この日は控えスタートだったが、前日の準決勝で右足首を痛めたFW三島拓人(3年)が本調子ではなかったため、前半26分に交代出場。伝統のエースナンバー17番を背負いながらも無念の交代となり、ベンチ横で悔し涙を流した三島からハーフタイムに「俺の代わりにゴールを決めろ」と思いを託されていた。
野尻監督も郷原には先発起用、あるいは早期の交代出場があるかもしれないと伝えており、スクランブル出場でも「特に心配していなかったし、あわてていなかったと思う」と振り返る。期待に応えて大仕事をやってのけた背番号13は、三島のコンディションを踏まえて「自分が出たら絶対にゴールを決めてやろうと思っていた」との思いを現実にした。
今年度はプリンスリーグ中国開幕戦で2得点を挙げて2-1の逆転勝利に貢献し、第3節でも1得点を決めてチームは開幕4連勝。第5節からは3試合連続無得点に終わり、チームも3連敗を喫して今回の予選を迎えていたが、「自分たちは全国大会で勝つためにやっているので、県予選は通過点。全国を目標に練習に取り組んだら、こういう結果が出た」と胸を張る。
通過点を過ぎて、4大会連続17回目の出場となるインターハイ。伝統校の得点源の一人として期待されるストライカーは「全国でも点が取れる選手になりたい」と言葉に力を込め、さらなる成長と全国での活躍を期していた。
(取材・文 石倉利英)
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Source: 大学高校サッカー
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