日本サッカー協会(JFA)の影山雅永技術委員長が13日、技術委員会後にメディアブリーフィングを行い、アジアサッカー連盟(AFC)と欧州サッカー連盟(UEFA)の間で現在、プロの指導者ライセンスの互換性に関する検討が進んでいることを明かした。早ければ来年度にも、AFCプロライセンスを持つ日本人指導者が欧州トップリーグで指揮を執れる可能性が出てきているようだ。
影山委員長によると、今年5月にクアラルンプールで行われたAFCナショナルコーチカンファレンスで、アンディ・ロクスブルクAFC技術委員長がUEFA側の担当者とともに「互換性の話し合いが進んでおり、来年から施行できるようになると思う」という旨の展望を述べたという。
AFCとUEFAのプロライセンスの互換が実現すれば、アジアでプロライセンスを取得した指導者が欧州のプロクラブを指揮する資格を得られる。これまで日本の指導者が欧州プロクラブを指揮するためには、今季限りで現役引退したMF長谷部誠が目指しているように欧州内でライセンスを取得する必要があったが、今後は日本国内で活動する指導者にも門戸が開かれる可能性が出てきた。
またすべてのAFC加盟国のプロライセンスに互換性が認められるわけではなく、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ウルグアイの4か国のみに互換性が認められている南米と同様、アジアでも対象国は一部に限られる見込み。それでも影山委員長は「アジアではAFCより先にプロライセンスをやっていた自負はある」と日本の対象入りに前向きな展望を口にした。
この日の技術委員会ではこうした流れを受け、委員から「いま世界を目指している指導者をどうサポートしていくかというのを本気で話し合っていくべきだ」という議論が出た様子。影山委員長は「指導者を目指している若い人たちには海外5大リーグでプロの監督でやりたい野望を持っている人も多い」と国内の現状に目を向けつつ、「日本を背負って立つ世界で戦える指導者を、ということでいろんな支援をすべきだという議論ができるのは大きな門が開いたなと思う」と前向きに話した。
(取材・文 竹内達也)
Source: サッカー日本代表
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