相互支援契約を結ぶ柏での練習によって成長を加速。日体大柏の190cmGK早川ウワブライトは選手権日本一とプロ、海外を目指す

日体大柏高の190cmGK早川ウワブライト(3年=FC湘南ジュニアユース出身)は選手権日本一や高卒プロ入りを目標に掲げる
[6.12 インターハイ千葉県予選準決勝 流通経済大柏高 2-0 日体大柏高 東総運動場]

「ブライアン君みたいに」成長して海外へ、そして活躍するGKになることが目標だ。日体大柏高のU-17日本高校選抜GK早川ウワブライト(3年=FC湘南ジュニアユース出身)が、インターハイ千葉県予選準決勝で先発出場。複数のJクラブが関心を寄せる190cm守護神が、インターハイ出場への大一番に臨んだ。

 対戦した流通経済大柏高は現在、3カテゴリー上のプレミアリーグEASTで首位。立ち上がり、日体大柏は出足の速さで上回り、セットプレーの数を増やしていた。だが、前半終了間際にショートカウンターから失点。早川はPAからコースを突いた強烈な一撃に反応したが、弾けなかったことを悔しがる。

「近くて、やっぱシュートスピードもあったんで。触ったんですけど……本当にもう、練習するしかないですね。冬に向けて」と早川。チームは後半3分にもスルーパスを通され、追加点を奪われた。

 流経大柏は前半半ば以降、ハイプレスによるボール奪取によって主導権。遠目からのシュートやクロスへ持ち込んでいた。その中、早川はゴール前で存在感。ハイボール処理とシュートセーブを得意とするGKはゴール前でミスせず、彼から1点を奪うことの難しさを印象付けていた。

 だが、「自分のクロスだったり、シュートセーブっていうのは武器なんで。出せた反面、失点したところを止めれるようにしないといけないっていうのは感じて……。まだまだだな、っていうのは感じました」。2失点後、好セーブも見せていた早川だが、ビッグセーブを増やすことは上へ行くための課題の一つ。チームとしても、流経大柏とのプレススピードの差や、得意とするビルドアップの向上の必要性を学ぶ一戦となった。

 早川は、日体大柏進学後に大きく進化。期待の大型GKは2年時の途中まで、日体大柏が相互支援契約を結んでいる柏レイソルのアカデミーで平日はずっとトレーニングしてきたという。

「(現在の自分にとって、)レイソルでの経験は大きいですね。キャッチング1つのミスでピンチになるんで、そういうところはもうずっと意識してやっています。高校1年生の時に、今、ギラヴァンツ(北九州)にいる吉川脩人さんに一から物凄く教えてもらいました。色々基礎のところで。高2になって、堀江健太さんに代わって、その方にも凄く色々メンタルの部分とか多く教えてもらって、そこでメンタルもちょっと強くなったなっていうのは感じます」。Aチームのレギュラーとなった現在は、日体大柏でトレーニングする毎日。現在も日々成長を続けているが、当時の経験が今の自分の礎を築いてくれたと考えている。

 昨年までは、GK原田眞透(現日本体育大)の陰に隠れていたが、今年に入ってU-17日本高校選抜メンバー入り。そこで高い安定感を発揮するなど、評価を高めた。また、MF柚木創(流通経済大柏高3年)やDF小沼蒼珠(青森山田高3年)、MF大谷湊斗(昌平高3年)といった下級生から活躍した選手の意識の高さを学び、キック精度の課題を確認。この経験も自分の成長に結びつけている。

「(今後は小久保)ブライアン君みたいになりたいですね。将来、プロ行った時に、試合に出て、活躍して、代表とか入って、ブライアン君とか凄くなってるじゃないですか。だから、そういう選手を超せるようになりたいです」。柏U-18からベンフィカへ挑戦し、AFC U23アジアカップで大活躍したGK小久保玲央ブライアンは目標とするプレーヤー。背中に近づき、超えることが目標だ。

 早川はすでに、柏に加えてJ2、J3クラブに練習参加。日体大柏サッカー部OBのMF土屋巧やFWオウイエ・ウイリアム(ともに柏)に続くプロ入りと、プリンスリーグ関東昇格、選手権出場を目指していく。

「チームとしては今、県リーグは全勝してて、首位には立ってるんですけど、今回、プレミア首位の相手とやって、差っていうのはみんな感じています。冬に勝ち続けたらまた流経とやる機会があると思うので、そこで勝つことに向けて。冬は選手権絶対出て、日本一取るっていうのはチームとして目標にしてるんで、それまでのリーグ戦だったり、フェスティバルとかに出た時に全部勝って、一つ一つの練習からみんなでやってこうっていうのは(準決勝敗戦後に)話しました」

 この日、流経大柏に敗れたが、やれた部分も多かった。根引謙介監督は「ゲームの進め方というか、そこに課題があったんで、そこはしっかり修正していければ」。怪我で離脱中の選手も含めてまた競争。早川自身も多くの経験を重ね、より攻守で活躍できる守護神となって、日体大柏を目標達成へ導く。

(取材・文 吉田太郎)


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Source: 大学高校サッカー

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