「この代の日本代表を引っ張って行く」「記録を超えたい」。U-16日本代表の10番FW吉田湊海(鹿島ユース)は強い意志を持って目指す姿へ

U-16日本代表の10番FW吉田湊海(鹿島ユース、1年)は「U-16インターナショナルドリームカップ2024 JAPAN」初戦で1得点
「この大会で初めて10番になったんですけど、元々、自分が『この代の日本代表を引っ張って行く』っていう意志とかあったんで。責任感とかも、日本代表としてなくちゃいけないなと思っています」

 U-16日本代表の10番FW吉田湊海(鹿島ユース、1年)は、初めて年代別日本代表に選出された昨年から、2008年生まれ世代を引っ張っていくという強い思いを持ってきた。

 ボランチでも、FWでも得点できる力の持ち主は昨年、U-15日本代表始動当初から一際存在感のある動き。国際試合でもチャンスを生み出し、ゴールを決めてきた。また、“街クラブ”のFC多摩ジュニアユースを日本クラブユース選手権(U-15)大会初優勝へ導き、自身は同大会のMVPと得点王に輝いている。

 その吉田は今春、名門・鹿島ユースへ進み、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEASTで早くも4得点。ユース年代で早くも実力を証明している印象だが、本人は「自分の中では『まだまだだな』っていうのは思っていて。プレミアでも、この前4点目を取ったんですけど、8試合の中で4点なんで、自分の中ではまだまだだと思っています」。得点ランキング首位と1得点差の活躍も、満足はしていない。

「スタメンで出させてもらってる中で、チャンスっていう部分は多く作れているとは自分では思っていますけど、チャンス作れてるだけで、点はあんまり取れていない」。FWとして出場している以上、点を決めて、チームを勝たせなければならないと考えている。

 19日に開幕した「U-16インターナショナルドリームカップ2024 JAPAN」でも、U-16日本代表にゴールと白星をもたらさなければならない。U-16ウクライナ代表との初戦(19日)では、絶妙なポジションニングや打開する動きから一人でシュート9本を放った。

 だが、力が入り過ぎたところもあって、シュートはポストを叩いたほか、わずかに枠外へ。後半24分にMF神田泰斗(大宮U18)から要求通りのCKが届き、頭でゴールへ押し込んだが、大勝の中での1得点のみに終わっている。

 それだけに、吉田は20日の練習後、「1-0とか、2-1とか、緊迫した試合の中で、これから点取れるようにしていきたい。チームが勝ってても、負けてても、自分が点取るっていうのは、意識しています」。MF野口蓮斗(広島ユース)ら多彩なチャンスメーカーのいるU-16日本代表。21日のU-16ベネズエラ代表戦、23日のU-16セネガル代表戦では、彼らのパスをより多くのゴールに結びつける意気込みだ。

 吉田は普段、レアル・マドリーの欧州CL制覇の立役者となったMFジュード・ベリンガムやブラジルの新星、FWエンドリッキの動画をチェック。「(一番好きな)ベリンガムもそうなんですけど、ドリブル上手いし、パスも上手いし、シュートもいけるし、相手が怖いところに入っていけるし、みたいな感じのプレーヤーなんで。自分もそこは日頃の練習から(柳沢敦)監督にも言われているクロス(からのゴール)とかは、ほんとに求められてるので自分では意識しています」。ドリブルも、パスも、シュートもハイレベルなプレーヤーへ。鹿島ユースの先輩FW徳田誉(3年)の存在も刺激になっている。

 徳田は今月12日の天皇杯・奈良戦でトップチームデビュー。同16日のJ1・新潟戦では17歳3か月29日でJ1初出場を果たし、クラブの最年少出場記録を更新した。「誉もこの前出て刺激になっているし、誉が最年少記録出したってところで、自分もその記録を超えたいなと思っています」。吉田がその記録を更新することによって、U-17ワールドカップやその先のステージでの躍進を目指す世代が活性化することも間違いない。現状はまだまだ課題もあるが、真摯にサッカーと向き合う姿勢や思いの強さも魅力の15歳。進化を続けて世代を引っ張る選手、Jリーグ、世界で活躍する選手になる。

U-16ウクライナ代表戦は頭でゴール
笑顔でゴールを喜んだ
20日は主にリカバリー。「U-16インターナショナルドリームカップ2024 JAPAN」の残り2試合で連発する

(取材・文 吉田太郎)
Source: サッカー日本代表

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