[MOM4761]青森山田DF山口元幹(3年)_攻撃的なボランチがCBで奮闘中。カバー、“ゴールを隠す”、空中戦でも期待に応えて無失点勝利

青森山田高CB山口元幹(3年=大阪市ジュネッスFC出身)は完封勝利に貢献
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.7 プレミアリーグEAST第11節 青森山田高 1-0 柏U-18 青森山田高G]

 正確なキック、ゲームメークなど攻撃面を特長とするボランチが、5月からセンターバック(CB)に挑戦中。青森山田高(青森)CB山口元幹(3年=大阪市ジュネッスFC出身)は課題に取り組んできた成果を発揮し、柏U-18(千葉)戦で無失点勝利をもたらした。

 山口は相手の縦パスに「奪いに行くつもりで」強く当たって起点を止めていたほか、ドリブルでSBをかわしてきた相手アタッカーをPAでストップ。また、青森山田の“走らせない”守備やラインコントロールを意識し、元々強みではなかったヘディングでも奮闘していた。
 
 無失点にこだわる青森山田は、柏U-18戦へ向けて“ゴールを隠すこと”に特化したトレーニングも。強敵・柏U-18相手にその成果も発揮した山口は、「(個人的に)ずっと守備がウィークと高1からずっと言われてきた中で、(今日は)結果として無失点でやり切れましたし、プレーとしてもカバーできたり、“ゴール隠す”守備もできたんで、少し自信になったかなと思います」。ボールを奪うこと、勝つことへの執着心を見せる山口は終盤、DFラインからボランチに入り、その後再び後方へ下がって1点を守り抜いた。

 正木昌宣監督も「守備であれだけヘディングも勝ってるし、カバーリングもできてるし、もうボランチに入っても行くなって言っても、前行くし(苦笑)。やっぱり彼がチームに与える影響っていうのは大きいと思う」と評価。本人は今シーズン、ボランチでなかなか活躍できなかったこともあり、覚悟も持ってCBで自分を高めている。

 1年時に青森県選抜の中心選手として国体準優勝。今年は主軸候補としてシーズンをスタートしたが、自分の課題を痛感させられた。「ボランチやってた時は正直、自分が求めてたパフォーマンスの半分ぐらいで。やっぱり自分は攻撃の部分でストロングがあるんですけど、守備でボール奪えないと自分の攻撃のスキルを出せない」。CB起用は、チームのためであることはもちろん、自分により守備意識を持たせるためでもあると感じている。この日は上手さも、高さも、スピードもある柏U-18相手に一つ、自信をつける完封勝利。山口は将来、目標の「何でもできるボランチ」になるためにも、自身の成長とチームの勝利を貪欲に目指していく。

 チームは今季、リーグ戦での3連敗やホーム未勝利など苦しい時期が続いた。練習でも熱くなったり、ネガティブな声がけが増えてしまう中、山口は冷静に頭を使うことを心がけてきたという。前向きな声がけを継続。この日も気持ちが入りすぎている選手もいた中で「全員に聞く耳を持ってもらって、冷静にっていう声かけを意識していました」。自身もやや前へ出過ぎる場面があったが、冷静に、一人ひとりにやるべきことを徹底させて1-0で試合を終えた。

 昨年、3回戦で敗れているインターハイへ向けても弾みの白星。だが、「これからもっと高めないといけないなっていうのはずっと思っています」と緩みはない。「やっぱり3冠取るっていうのは春からずっと掲げてきたんで、インターハイに向けてまずはトレーニングからしっかりやっていく。得点を奪い切る部分、守備の部分でも改善の余地があると思うんで、そこしっかり改善して、1試合1試合戦って優勝したいです」と力を込めた。プレースキックでゴール数を増やすことも自分の役割。課題にしっかりと向き合って、全国舞台で勝負強い青森山田を表現する。 

(取材・文 吉田太郎)


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Source: 大学高校サッカー

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