6月の負傷から復帰…パリ五輪行きに思いを馳せる木村誠二「来れなかった人たちのためにがんばらないと」

DF木村誠二
 辿り着いた大舞台を前に、緊張と楽しさが湧いてきている。パリオリンピックに備えるU-23日本代表DF木村誠二(FC東京)は「まだそんなに緊張感はないけど、たぶん大会が近づくにつれて大きくなってくると思う。ただ、今回は僕も楽しみな気持ちがけっこう大きい。緊張半分、楽しさ半分みたいな感じ」と率直な気持ちを語った。

 パリ五輪アジア最終予選では守備だけでなく攻撃面でも活躍。ヘディングシュートで2得点を挙げ、パリ五輪出場とアジア制覇に大きく貢献した。だが、メンバー発表前最後の遠征となった6月のアメリカ遠征には行けなかった。クラブから情報は出されていなかったが、内転筋を負傷していたという。

「アメリカに行けなかったというのはすごく痛かった」。最後の遠征に行けずに不安もよぎったが、目の前の時間でできることに集中できた。「結果的にあのときよりもっと遅いタイミングで怪我をしていたらオリンピックもきつかった。まだよかったかなと」。シーズン開幕前のキャンプでも負傷していたが、U23アジア杯に間に合わせた。わずかなタイミングに救われた。

 FC東京の同期で、ともに日の丸を背負ってきたDFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)への思いを募らせる。「佳史扶は怪我で難しい立場になってしまった」。メンバー入りの可能性も高かったが、6月のアメリカ遠征中に負傷。仲間たちの思いを胸に、大舞台に向かう。

「(野澤)大志(ブランドン)は入って、(荒木遼)タロウも来た。だけど(松木)玖生は移籍。明暗分かれたというより、本当にそれぞれの立場で色々あった。こうしてオリンピックに来ている分、来れなかった佳史扶や玖生、ほかにもたくさん80人以上参加してきた。来れなかった人たちのためにもがんばらないと」

 現地には15日に到着した。時差ボケもあるが、これまでの経験であわてることはない。「マイナス時差はそんなにきつくない。少しすれば直せる。どうしても疲労感は抜け切っていないけど、しっかりそこをケアして、いいコンディションで向かっていけたら」。五輪という特殊な舞台には「応援してくれてる世代の幅が広がる。普段サッカーを観ない人でも応援してくれたりすると思う」と目を輝かせる。「やってやるぞという気持ちと、どういうプレーができるんだろうという期待感も混ざって、ちょっと楽しみです」。スポーツの祭典での活躍を誓った。

(取材・文 石川祐介)


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Source: サッカー日本代表

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