目標は3年前の全国準優勝超え。中国高校選手権(6月)優勝校でプレミアリーグ勢の米子北高(鳥取)が、27日開幕のインターハイ(福島)へ向けて着実に状態を上げてきている。19日には、第13回堺ユースサッカーフェスティバルで興國高(大阪)と対戦し、0-0で引き分けた。
要所を封じるなど健闘した1年生CB熊野俊典や注目の右SB樋渡蓮音(3年)らDFラインが集中した守りを継続。MF湯月哲大(2年)やMF柴野惺(3年)が良い形でボールを奪って速攻に結びつけるシーンもあった。後半のピンチもGK広川武寛(3年)が立ちはだかって無失点。プレミアリーグWESTでは失点が重なり4連敗中だが、プリンスリーグ関西1部で無敗首位の相手に崩されかけても決定打を打たせなかった。
ただし、主将のFW鈴木颯人(3年=前橋FC出身)は、「やっぱり守備のところで無失点に抑えられたっていうのはあるんですけど、やられてるところもあって、運がっていうのもある。攻撃パターンも限られてて、納得はしていないです」と首を振る。
攻撃面については、「やっぱり前向きの選手を追い越すとか、守備で身体張ってキツいところもあるんですけど、そこでスプリントできるようにしないといけない。攻撃の厚み出すためにも、どんどん後ろから湧き出るじゃないですけど、それはもっとやった方がいい」と指摘した。
それでも、後半は攻守が噛み合い、速攻からFW西尾潤星(3年)が抜け出すなどチャンスの数を増加。鈴木は下級生の多いチームの状態が上がってきていることを実感しているという。「下級生が遠慮してなくて勢いあるんで、それを3年が引っ張ってるみたいな感じで。まだまだですけど、だんだん良くなってると思うんで、さらにここから1つになって、やっていきたい」と力を込めた。
鈴木は樋渡が「チームをいつもまとめている」というリーダー。ピッチでは、攻守両面でのスプリント、身体を張ったプレーなどで米子北を引っ張っている。昨年からの主軸でもある鈴木は責任感が強く、「1番はチームが勝つために、やる。ほんと自分が勝たせないといけない」。今季はまだ納得の行くまでの結果を出せていないが、インターハイ予選決勝でチームを救う2得点。「自分が」だけでなく、より味方にも頼りながら、ゴール前での勝負強さも高めていく。
プレミアリーグで苦戦する中、高まってきたチームの一体感。現3年生はインターハイ決勝で青森山田高(青森)を追い詰め、準優勝になったチームを見て進学してきた世代だ。目標はその成績を超えること。鈴木は「やっぱり日本一目指してやってるんで、プレミアは勝ててないですけど、それがきっかけでチームが1つになってきてると思うんで、それをインハイで出せたらいいなと思います」。開幕まであと一週間。細部を突き詰め、勢いを持って東邦高(愛知)とのインターハイ初戦に臨む。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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