NBCin堺ユースフェスが開幕。3バック挑戦の東海大福岡が大阪桐蔭を2-0撃破!

3バックに挑戦した東海大福岡高は2-0で勝利。DF鈴木陽太は攻守両面で勝利に貢献
[7.20 NBCin堺ユースフェス予選リーグ 東海大福岡高 2-0 大阪桐蔭高 J-GREEN堺]

「ニューバランスカップ(NBC) in 堺ユースサッカーフェスティバル(2024)」が20日にJ-GREEN堺で開幕し、東海大福岡高(福岡)と大阪桐蔭高(大阪)が激突。東海大福岡が2-0で勝利した。

 ニューバランスカップは、毎年300ものチームが集まる堺ユースサッカーフェスティバル(7月19日~28日)で唯一のカップ戦となっており、参加32校が4チームずつ8グループに分かれて予選リーグを実施。各グループ上位2チームが決勝トーナメントで頂点を争う大会だ。

 いずれのチームも今夏のインターハイ出場を逃しているが、プレミアリーグ勢、プリンスリーグ勢など秋冬の飛躍を目指す強豪校が参加している。その予選リーグでインターハイ福岡県予選準優勝校の東海大福岡と、インターハイ大阪府予選で代表決定戦(準決勝)まで勝ち上がっている大阪桐蔭が激突。ともに攻撃的なスタイルの強豪対決は、新システムにトライの東海大福岡が勝利した。

 この日、東海大福岡は伊藤良太監督が、「(後半戦へ向けて)引き出しを増やさないといけない」と語ったように、これまでの4バックから3バックの3-4-3にチャレンジ。GKが中村海星(3年)で斉藤大生(2年)と長谷川陸(3年)、鈴木陽太(3年)の3バック。中盤は永田覚都主将(3年)と浅香寛太(3年)のダブルボランチで右WB梅本琉成(3年)、左WB濱口幸生(2年)。そして、池田蒼音(3年)、板井夢天(2年)、エースFW倉田連(3年)の3トップで試合をスタートした。

 一方の大阪桐蔭はGKが稗田琉煌(3年)で大山航平(3年)、久瀬葵(3年)、柴田凌我(3年)、天野滉大(1年)の4バック、中盤に安藤仁(3年)と川瀬瑛志(3年)、深江翔太(2年)が入り、前線に伊藤康野進(3年)、小門楯主将(3年)、平沼悠人(3年)が並んだ。本来CBの小門と攻撃の要である久瀬のポジションを入れ替えての戦いを試みた。

 序盤、東海大福岡の前からの勢いのある守備がハマり、相手を押し込む。そして、サイド攻撃やセットプレーから先制点を狙う。13分には左サイドから仕掛け、最後はこの日崩しに良く係わっていた浅香が右足シュート。また、左サイドからパスを繋ぎ、永田がフィニッシュに持ち込む。その東海大福岡は「左足とヘディングの強さを見て欲しい。(今日は)自分が持った時にFWが抜け出したり、落ちてきたり、そこにポイントを合わせて狙えたかなと思います」という鈴木の長短の左足キックを交えたビルドアップで相手のハイプレスを攻略。チャンスに結びつけていた。

 大阪桐蔭は久瀬のシュートブロックなど得点を許さず、ボールを奪うと相手を見ながら連動性の高い攻撃。狭い中央から縦パスを通していたほか、安藤や川瀬の展開力や久瀬の運ぶ力なども活かして3バックの脇までボールを運んでいた。10分には右クロスから平沼が左足シュート。25分には声、ハードワークでチームを引っ張る小門が前線でボールを取り切り、左足ミドルを打ち込んだ。

 前半から右SB谷山英臣(2年)や怪我明けのMF小松和史(2年)を投入。チャンスに結びつけるシーンもあったが、永野悦次郎監督は「(攻撃を)もっと賢く、意図的に作れたらいい」と指摘する。GKまでプレッシャーを掛けてくる倉田ら相手の勢いのある守備に苦戦。攻め切る前に引っ掛けてしまうようなシーンも増えてしまう。

 また、東海大福岡は相手の抜け出しを巧みにブロックする鈴木、長谷川、齊藤の3バックが隙を見せない。鈴木は「初めて3バックして、最初は上手く行くか分かんなかったんですけど、結構コミュニケーション取りながら、DFラインは絶対ゼロで行こうって話してたんで、それができて良かったです」と評価する。

 その東海大福岡は27分、浅香がクロスバー直撃の右足ミドル。そして、後半5分、敵陣で奪い返すと、板井のスルーパスで倉田がGKをかわす。そのまま左足シュートをゴールへ流し込んだ。

 先制した東海大福岡は、11分にも右の梅本からラストパスが通り、池田が決定的なシュート。CBへ移った小門や柴田、大山が引き締めながら戦う大阪桐蔭はMF柴田柊大(2年)、MF木下智貴(2年)、FW住友颯太(2年)を投入し、クロスにまで持ち込んでいたが、次の1点も東海大福岡が奪った。

 29分、敵陣での回収から素早く攻め、池田の強烈な左足シュートで追加点。この後、相手MF深江のミドルシュートをGK中村がはじき出すなど、東海大福岡は交代出場の1年生MF片山晴を含めて試合を締め、2-0で勝利した。

 東海大福岡の伊藤監督は「キャパシティが高くて、能力も高くて、話も聞ける」チームが、ハードワークを徹底するニューバランスカップの強敵相手にチャレンジして成長することを期待する。

 インターハイ予選で飯塚高を撃破し、18年ぶりの全国大会出場へあと1勝まで迫ったことは選手たちの自信に。鈴木は「この夏、(ニューバランスカップの後に)静岡や石川で色々な大会があるんですけど、そこで強豪校の選手たちと戦って(さらに)自信をつけてから、秋もしっかり調整して、選手権で優勝して日本一になれたらいいなと思っています」と意気込んだ。4日間、夏の堺で貪欲に力を磨く。

(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー

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