[NBC in 堺ユースフェス]前線で“2人分”の働き。流経大柏FW粕谷悠は2冠のために、絶対的な得点の「形」を

FW粕谷悠(3年=AZ’86東京青梅出身)は流通経済大柏高の最前線で2人分の働き
[7.23 NBCin堺ユースフェス決勝 流通経済大柏高 1-0 関西大北陽高 J-GREEN堺]

 名門・流通経済大柏高(千葉)の最前線で“2人分”もの働きをしている。FW粕谷悠(3年=AZ’86東京青梅出身)は、「ニューバランスカップ(NBC) in 堺ユースサッカーフェスティバル(2024)」で3得点。近大附高(大阪)戦で裏抜け、ターンから左足でファインゴールを決めるなど結果も残したが、それ以上にハードワークの部分で優勝に貢献した。

 関西大北陽高(大阪)との決勝でも前線で連続したプレッシング。相手の速攻の精度を乱すと、攻撃面でもDFにチェックされながら粘り強いキープを見せる。前半終了間際には身体を張ってFKを獲得。流経大柏はここから連続のセットプレーによって先制点を挙げた。粕谷は強引に相手の守りをこじ開けようとする一方、シュートモーションからの切り返しでマークを外す上手さも。決勝では無得点に終わったが、本人は復調へのきっかけになったことを口にしていた。

「インハイから自分、あんま調子よくなくて、どっかで上げるきっかけを作りたいと思っていて、それがこの大会でそのきっかけになって、自分でも満足するプレーができたと思います」

 今年の流経大柏は、1トップを務める粕谷の下にアタッカー4人を並べる4-1-4-1システムが主体。榎本雅大監督は、「粕谷の特長を活かすには(FW)1枚。で、結局あそこに(相手のDF)2枚かかっちゃうんで、そこの脇に間を使える選手が出て入ってくるっていう形が多分、一番つかみどころないやり方」と説明する。

 粕谷は身長175cmで特別なサイズも、特別なスピードがある訳でもないものの、非常に馬力のある動き。粕谷は「自分が前1人できれば 中盤に枚数を掛けられる」と1トップの責任感を持ってプレーしている。

 流経大柏の最前線で存在感。その粕谷がよりチームに貢献するために求めているのはゴールだ。「自分、収めて周りを活かすっていうスタイルなんですけど、収めるだけでなくて、外から自分でも決めないと。FWとしての仕事の一番はこれなんで」。そのためにオフ・ザ・ボールなどを磨き、「自分の特定の形っていうのを作りたい」と意気込んだ。

 今年の流経大柏はサイドからクロスの上がる回数が多い。「やっぱFWのゴールは外からのクロスボールを決めないと」。クロスや得意とするターンからのシュートを自分の絶対の形に。「インターハイ出れなかったんで、選手権は全国出て日本一を目指すのもそうですし、プレミアでも優勝して、最後ファイナルも勝って、2冠を取りたい」という目標を実現するために、自分がゴールを決める。

(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー

コメント

タイトルとURLをコピーしました