[7.31 パリ五輪GL第3節 日本女子 3-1 ナイジェリア女子 ナント]
アフリカ勢を相手に、冷静に戦い抜いた。日本女子代表(なでしこジャパン)DF守屋都弥は右サイドから攻守に貢献。厳しい暑さにも苦しめられたが、「でも交代選手はいる。そこで手を抜かずに上下運動することが自分のモットー。行けるところまでやるだけです」と手応えを語った。
試合開始早々、ナイジェリアのフィジカルに圧倒された。守屋のサイドをMFジェニファー・エチギニに突破され、MFラッシーダード・アジバデにシュートまで持ち込まれた。「縦を一本切るというのは紅白戦からやっていたけど、やっぱり速いなと」(守屋)。突破される前の対応に出ると「体をぶつけに行ったときに吹っ飛ばされた。これもダメかと」。試行錯誤の戦いを強いらえたが、一つひとつ対応した。
日本は前半22分に先制し、勢いに乗る。すると同32分、右サイドの守屋が上げたクロスが得点につながった。ファーサイドのFW植木理子のヘディングシュートはクロスバーに当たったが、こぼれ球をFW田中美南が仕留めた。「あそこのピンポイントクロスは自分の良さ。バーからのこぼれで美南さんが決めて、自分としてはうれしかった」。攻撃面で貢献してみせた。
後半7分にも決定機を作った。左サイドからDF北川ひかるがクロスを上げ、ファーサイドの守屋が待ち構える。すると、アジバデに競られた。守屋は倒されて主審はPKの判定。だが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックを経て、モニターを確認した主審はPKを取り消した。
「ファーが空くというのは分析でみんなで共有していた。そこは両ウイングが狙いに行こうと。ひかるもいいボールを出してくれて、あとは耐えるだけだったけど……ゴール側に押されたので(PK)あるかなと思った。ちょっと運がなかった」
フランスは連日35度近くまで気温が上がり、高温多湿の気候となった。後半は守屋のサイドに日差しが照り付けたが、国内事前キャンプの効果が出る。「夢フィールドの暑い中でやっていたのが、みんなが動けている要因」。後半35分の交代まで、豊富な運動量で躍動し続けた。
メンバー発表時からサイドプレーヤーの層は薄かったが、DF清水梨紗が怪我で離脱したことでより深刻化。バックアップメンバー守屋の出番はこれからも増えるだろう。「今まで準備してきたことは変わらない。そこを出せている」。五輪での目標は得点とアシスト。数字を残して、チームの躍進を支えていく。
(取材・文 石川祐介)
●パリオリンピック(パリ五輪)特集(サッカー)
Source: サッカー日本代表
コメント