18歳加入のベンフィカで5年半トップ出場なし…ベルギー移籍決断したパリ五輪GK小久保玲央ブライアン「いよいよ自分のプロサッカー人生が始まってくる」

GK小久保玲央ブライアン
 ベンフィカからシントトロイデンに加入したGK小久保玲央ブライアンが14日、オンラインで入団記者会見を行った。U-23日本代表の正GKを務めたパリ五輪では、準々決勝のスペイン戦に敗れて涙する姿も見せたが、小久保はすでに「ハイライトも見ていない。次に次にというのがある」と感情を整理。「後ろを見ずに前に進んでいきたい」と力強い決意を口にした。

 柏U-18出身の小久保は18歳になったばかりの2019年1月、ベンフィカに加入。翌年にはUEFAユースリーグで欧州トップレベルの舞台に立ち、準優勝を果たした。近年はポルトガルリーグだけでなく、UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)でのベンチ入りも経験。だが、ここまでトップチーム出場機会は得られず、今夏ベルギー挑戦に踏み切った。

 5年半を過ごしたポルトガルを離れるという大きな決断。小久保は「しっかり試合に出られること、ステップアップすることを考えていた。シントトロイデンからオファーをもらった時は嬉しかったし、環境を変えないといけないと思っていた。プレーし続けられる、良い環境にいられることが大事だった」と経緯を口にした。

 Jリーグを経験せずに欧州挑戦を果たしたため、シントトロイデンで出場機会を掴めば、プロとしては初のトップチーム出場。まずはそれが大きな目標となる。

 小久保は「ベンフィカ時代はトップ登録にはなっていたけど、セカンドチームに出て次の日にAチームに帯同したりと、なかなか自分の思い通りに1シーズン、プロ選手として活動できなかったので、このチームではしっかりスタートラインに立てて、いよいよ自分のプロサッカー人生が始まってくるのかなと思う。まずは次の試合でチャンスを得て、自分らしいプレーを1年通して続けることが大切だと思う」と決意を語った。

DF谷口彰悟と共に入団会見に出席

 もっともベンフィカ時代は出場機会こそ得られなかったものの、ギリシャ代表GKオディッセアス・ブラホディモス(ニューカッスル)、EURO2024ウクライナ代表GKアナトリー・トルビンといった名手と共にプレーし、セカンドチームでもハイレベルな試合に出場。そうして培ってきたクオリティーの片鱗はU-23日本代表として出場した今年4月のAFC U23アジアカップ、今夏のパリ五輪で随所に示してきた。

「ベンフィカでは良いGKが揃っていたこともあって、ハイレベルなところがあった。その中でベンチに数回座ったものの、なかなか出場機会が得られなかったことで、キャリアが狂うようなシーズンを過ごしてきた。しっかりここでは自分の位置を示せるようなプレーをしたい」

 ここではイチからのスタートとなるが、「自分が得てきたものがしっかりあるので、このチームでそのプレーを見せられるように一日一日を大事にしてプレーしていきたい」と自信をのぞかせた。

 その先には再び日の丸を背負う使命を見据えている。「五輪の前からずっとA代表を目指してきたのでこのクラブで活躍して、9月だったり、10月だったり、A代表の活動に選ばれたら良いなと強く思っている」と9月に開幕する北中米W杯アジア最終予選での日本代表入りを志願。「五輪だったりU23アジア杯でプレーしていた時から、ずっとA代表は自分の夢だった。ベンフィカにいた時もいま練習している時も、ずっと目指してきたので、早く実現したいなという気持ちがある」と並ならぬ決意を口にした。

 現在、A代表の正GK争いは今年1〜2月のアジア杯で全5試合に出場した同世代のGK鈴木彩艶がリードしている状況だが、「まずは自分が一番大事。彩艶に追いつくとか追い越すじゃなく、周りのことは考えず、自分らしくプレーしていきたい」と今は意識せず。まずはベルギーリーグ初出場に向け、「練習で監督にプレーを見せて、次の試合、またその次の試合に出続けられるようにしたい」と地道に取り組んでいく姿勢だ。

(取材・文 竹内達也)


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Source: サッカー日本代表

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