今春から挑戦中の新ポジションで評価を勝ち取った。青森山田高DF山口元幹(3年=大阪市ジュネッスFC出身)は、8強入りしたインターハイで優秀選手に選出。今年5月にボランチからセンターバック(CB)へコンバートされたばかりだが、守りの要であるCB伊藤柊(3年)を怪我で欠く中、“ゴールを隠す守備”や正確なフィードで青森山田を支えた。
山口は優秀選手選出について、「自分、ボランチが好きなんですけど、センターバックで評価して頂いたのであれば、自信にもなりますし、複数のポジションできた方が将来幅ももっと広がると思うので、そこは前向きに捉えています」。青森山田で強化してきた守備力も発揮。ただし、チームは3冠を目指していただけに準々決勝敗退という結果は全く満足していない。また、山口は初戦で強豪・旭川実高(北海道1)相手に7-1で快勝しながら、緊張感を継続できなかったことを悔しがる。
「自分たちは連戦がずっと課題って言われてきた中で、それをインターハイ中、継続できなかった」。敗れた帝京長岡高(新潟)戦で山口はPK戦で1人目として登場し、失敗。「山田はほんとに、どこのチームよりも勝負にこだわっていかないといけない」。PK戦になっても、勝ち抜く力がまだ足りなかった。
インターハイ後の和倉ユース大会も川崎F U-18にPK戦で敗戦。それでも、今月18日まで開催された「第3回U-18青森ユースサッカーフェスティバル」では、準々決勝で矢板中央高にPK戦で勝利するなど、参加20チームの頂点に立った。大会の入りであった緩みをコーチ陣に引き締められるなどまだまだの部分もあるが、その後の戦いで自分たちがやるべきことを継続。また、プレミアリーグ、インターハイで登録外だったMF名倉眞祥(3年)が先発チャンスを掴み、予選リーグの札幌U-18戦や初芝橋本高(和歌山)との決勝で先制ゴールを決めるなど、新たな力の台頭もある。
山口は「(怪我もあり、メンバーが入れ替わっているが)みんなやっぱり意欲的にやってくれてるんで、そういった中で、メンバー競争でチームは上がってきてるんじゃないかと思います」。山口自身も4日間で計6試合というタフな戦いで優勝に貢献。セカンドボールを回収される回数の増えていた矢板中央戦も無失点で終えるなど、ゴール前での堅守が光っていた。
秋冬の公式戦で勝ち続けることと成長することが目標だ。「チームとしてはやっぱり3冠掲げてきた中でインターハイを落としたので、やっぱり後半戦のプレミア(リーグ)ではほんとに1回も負けないぐらいの勢いでやらないと優勝っていうのはなくなりますし、個人としてももう一つ成長して、守備の部分もそうですし、攻撃でもっと自分が起点となって、センターバックからでもチャンスメイクしたり、あと、セットプレーで決められる選手になって選手権優勝を狙ってやっていきたい」と力を込めた。ボランチでも、CBでも活躍できる力を身に着けて全国制覇に貢献する。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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