[8.20 クラセンU-15決勝 川崎F4-1岐阜 SSAP天然]
2得点を決めれば得点王に並ぶことは分かっていた。ただ「まずはチームが優勝できることを考えて」プレーしていたという。「こういう大きい大会で取れたのですごく嬉しいです」。FW十河晟央が得点王とMVPをW受賞する活躍で、川崎フロンターレU-15生田に初となる夏の日本一をもたらした。
1点目は早い時間に決まった。前半5分にカウンターからMF木村風斗が左サイドを力強いドリブルで突破すると、早めに出た横パスに十河が反応。GKとの1対1を制して先制点を決めた。
後半20分の同じく木村のラストパスから十河が放ったシュートは左ポストに嫌われたが、リードが3点に広がって迎えた同32分、MF全天海のパスをエリア内で受けると、DFを背負いながら反転して右足で蹴り込んで、C大阪U-15の永添功樹に並ぶ今大会10点目を決めた。
「(1点目は)風斗からいいボールが来たので、相手を置き去りにして流し込むだけでした。外した場面は決めたかったけど、まだ時間はあったので次のチャンスを狙おうと思った。(2点目は)天海からボールが来て、落とすことも考えたんですけど、相手が警戒したので、うまく反転して流し込めてよかったです」
大会前の7月下旬にはU-15日本代表メンバーに選ばれ、ウズベキスタン遠征を経験した。U-15ウズベキスタン代表との2試合では得点を決めることができなかったが、初めての代表遠征。「ミーティングでももっとやらないとと課題が見つかった。メンタル的にもやる気が出ました」と刺激を受けて帰ってきた。
帰国して10日ほどで開幕した大会だったが、「まずはこの大会で違いを見せようと思って意気込んでいた」という。その意気込み通りの得点王&MVPのW受賞。「トレーナーとも話し合いながらうまく調整できたと思います。結果も出たのでよかったです」と笑顔を弾けさせた。
苗字は十河と書いて「ソゴウ」、名前は晟央と書いて「セイヨ」と読む。初見ではなかなか読むのが難しい漢字だが、印象に残る名前に違いはない。FCパーシモンから川崎Fのアカデミーに進んだ経歴は、あの久保建英と同じ。注目を集める要素満載の15歳は、「難しい試合で点を取れたので、チームを勝たせられる選手になってきたと感じる。関東リーグも優勝を狙っているし、冬の高円宮杯にも出て、今回のように一個ずつ勝ち上がっていきたい」と力強く話していた。
(取材・文 児玉幸洋)
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Source: 大学高校サッカー
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