[8.21 全中準々決勝 神村学園3-2静岡学園 松任総合運動公園陸上競技場]
試合巧者ぶりが光った。開始2分でFW前野銀河(3年)が先制点を決めた神村学園中(鹿児島)は、後半同点に追いつかれた直後の16分に左クロスをMF児玉弥(3年)がワンタッチで合わせて勝ち越しに成功。同29分には途中出場のFW盛陽海(2年)が、2試合連続弾を決めて突き放した。
連覇を目指す神村学園だが、松本翔監督によると、去年のチームと比べれば、試合を決められる選手がいない課題があるという。それでも選手個々の技術力は高く、「サッカーの内容はこの子たちの方が上。18人、誰を出しても落ちない」と話すほど、チーム力に自信を持っている。
ここ最近の全中サッカーは、中高一貫で強化する私立中学が優勢。神村学園も象徴的なチームのひとつで、3年前の初優勝をけん引した名和田我空ら有力選手を高校サッカーに送り込んでいる。そんな神村学園を指導する松本監督が「高校に行った時がすごく楽しみ。もっと伸びると思います」と話すのが、今年のチームの特徴でもある。
中でも期待されるのがMF小園晟之朗(3年)だ。世代別代表入りも期待される逸材で、今大会はチーム事情でCBとして出場しているが、本来はチームのエースとして前線で攻撃を引っ張る役目を担っている。不慣れなポジションにも「チームのために役目を果たしたい」と前向きに取り組んでいる。
2年生だった昨年度も、小園は全国大会で2試合に出場。決勝は出場できなかったが、歓喜の瞬間を間近で経験した。「自分たちの代でもという思いはあります」。昨年度大会で10番を背負ったMF花城瑛汰は、高校でいきなりレギュラーを獲得。小園も背中を追いかけたいところだ。
ただ小園は「もちろん流れには乗りたいですけど、そこは自分の努力次第だと思っています」と冷静に話す。まずは明日の準決勝・高川学園中(山口)戦。「やることは変わらない。今日の反省を生かして圧倒できるように頑張りたい」と気を引き締めた。
(取材・文 児玉幸洋)
●第55回全国中学校サッカー大会特集
Source: 大学高校サッカー
コメント