[8.25 SBS杯 U-18日本代表 0-0(PK7-6)U-18アルゼンチン代表 エコパ]
SBSカップ優勝は逃したものの、雪辱勝利だ。MF山本丈偉(東京V)は昨年のU-17ワールドカップ・アルゼンチン戦の経験者。当時、山本は先発出場して83分間プレーしたが、1-3で敗れている。今回のアルゼンチン戦は80分で勝てば、SBSカップで逆転優勝。「優勝かかった試合だったんで、しかもリベンジで。本当に勝ちたい気持ちだけでした」という一戦だった。
インサイドハーフとして出場した山本は、正確なボールタッチでビルドアップやサイドでの崩しに係わり、クロスの折り返しに飛び込むシーンも。また、「今日は1対1では絶対負けないっていう気持ちで挑んだので、そこは良かったと思います」。守備時の奪い返しで貢献したほか、試合終盤には3バックの右に入って相手の速攻に対応していた。
山本が2人目のキッカーとして決めるなど、PK戦は7-6で勝利。自分たちも、アルゼンチンも、U-17ワールドカップとは大きくメンバーが異なっていたものの、強豪に勝ち切ったことについては「ほんとに収穫」と頷く。
だが、80分間に得点できなかったことで、アルゼンチンの勝ち点を上回ることができずに準優勝。3試合無得点に終わったことについて、山本は「ほんとに最後まで点が取れなかったっていうのは、自分たちの課題だと思いました」。ボールを保持し続け、サイドからの崩しがチャンスになっていた部分もあっただけに、中への入り方やクロスの質の向上をチームとしての課題に挙げていた。
個人としても、初戦で負傷交代するなど、悔しい結果に。「1年早くプロの世界でやらせてもらって、そこはこの代で自分がその分違いを作らないといけないと思いますし、自分がほんとに中心となって今日もチーム勝たせなければいけないと思ったので、そこはやっぱり責任を感じていますけど、ほんとに帰ってやるだけだと思うんで、チームに帰ってやっていきたい」と誓っていた。
山本は技術力に秀でた185cmの大型MFで、高校2年生だった今年1月に1年早くトップチーム昇格。4月17日のルヴァンカップ・鹿児島戦に先発し、プロデビューを飾ると、前半終了間際に右足ミドルを右隅に突き刺して決勝点をマークした。同20日の川崎F戦でJ1のベンチ入りも経験。経験豊富なJリーガーたちの競争を勝ち抜くことは簡単ではないが、その中で必死に自分を高めている。
この8か月間の変化について、「やっぱり守備のところです。J1で出るためにはそこが必要。今、試合に絡めてないですけど、ほんとに足りないところだと思うので」。簡単には公式戦に出られないからこそ、「ほんとに成長のため」にやり続けるしかない。
U-23日本代表の兄・MF山本理仁(シントトロイデン)は、パリ五輪初戦でパラグアイからゴールを決めると、続くマリ戦は決勝点。日本の準々決勝進出に貢献した。「自分、負けてらんないなと」と刺激を受けたという。
弟は、2028年のロサンゼルス五輪世代。ただし、五輪に出ることがゴールではなく、A代表としてワールドカップで活躍することを目指してチャレンジする。「この代表も、この代の代表も大事ですけど、やっぱり自分が目指さないといけないのは、いつも監督も言ってますけど、『サムライブルー』だと思うので、そこは忘れずに。1個上の(U20)アジアカップとワールドカップもありますし、ここで満足せずに上の代、上の代を目指していきたい」。今回の経験も糧に、高校生Jリーガーは成長曲線を変える。
(取材・文 吉田太郎)
Source: サッカー日本代表
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