日本代表の森保一監督が29日、北中米ワールドカップアジア最終予選に臨むメンバー27人を発表し、FC町田ゼルビアのDF望月ヘンリー海輝が初招集された。2001年生まれの22歳でパリ五輪世代にあたるが、大岩ジャパンの選出歴は一度もなし。J1で躍進が続く町田での実績が評価され、大逆転でのサプライズ招集となった。
三菱養和SCユース、国士舘大出身の望月は今季、町田に加入した大卒ルーキー。192cmの長身と最速35km/h台にも達する爆発的なスピードを活かし、首位の町田で右サイドバックの主力を担ってきた。
今季の開幕当初はベンチスタートが続き、途中出場した開幕節G大阪戦(△1-1)後には町田の黒田剛監督から「もっと『やってやるぞ』というメンタルを出してチームに貢献してほしい」と精神面への課題を指摘されていたが、試合を重ねるごとに克服。徐々にポテンシャルを発揮できるようになり、5月以降は堂々の先発に定着した。
また7月下旬にはスタッド・ランスとのフレンドリーマッチで初めての国際基準を体感。高校時代の同僚にあたるFW中村敬斗とのマッチアップで存在感を放った他、規格外のフィジカルを持つ相手選手たちとの対峙を経て、「プレーのクオリティーをさらに上げられれば、あそこのレベルに到達できるんだという目標地点を見ることができた」と大きな刺激も受けていた。
現時点では粗削りだが、今後の成長が楽しみな大器。森保監督は29日の記者会見で「非常にフィジカルの能力が高く、サイズ的にも魅力があり、SBとして上下動ができる。守備の部分で改善しないといけないところはあるが、落ち着いてビルドアップに関わり、時にはターゲットとして高さを生かして攻撃の起点になるところであったり、守備でもボールを奪いに行く果敢な姿勢を見せてくれている」と選出理由を説明しつつ、「チーム活動を通してどれくらいできるかはまだまだ見ていかないといけないこともあるが、これまで経験したことを自信を持ってチャレンジしてもらいたい。完成した選手として招集したわけではない。この先、さらに見せてもらえるように活動を通して思い切って自分の力を発揮してほしい」と期待を寄せた。
(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア最終予選特集
Source: サッカー日本代表
コメント